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2009年06月10日

「ミス」の捉え方

事業をしていると、当然、失敗やミスが生じます。


開発を請け負ったソフトが動かない。
販売した商品の内容が違っていた。
訪問の期日を間違えた。

いろいろありますよね。

もちろん、失敗やミスをなくすことは重要なのですが、なかなか減るものでもありません。

人間のすることですから。


だから、ミスや失敗をしたあとの対応力を磨くことが重要です。


ここで陥りやすいのは、「ミス」をしたことによる心理的影響に引っ張られること。
つまり、ミスをしてしまったから、相手方の言うことは何でも聞かないといけないという心境になってしまうことです。


それは違うんですね。

「ミス」は「ミス」。それについて、謝罪の意を示すことは当然ですし、自身の気持ちとしても申し訳ないという気持ちはなくしてはいけません。

だけど、そのことと、ミス後の対応とは、必ずしも直結しないのです。

相手方の要望には、ミス後の対応としては、過大なもの、不必要なものの要求が少なくありません。


それに応じてしまっては、自社のお金がいくらあっても足りないでしょう。


対応として、必要かつ合理的な範囲なものは必ずあります。

それは、法的な責任とビジネス的な責任を合わせて考えなければならないのですが、これくらいのミスには、これくらいの対応というのは、自然にみえてくるものです。


それ以上の要求は、やはり不当なものとして、きっぱりと拒絶できる。
それはそれ、これはこれ。と問題を切り分けられる能力とそれを相手に主張できる能力が、ビジネスには必要になってきます。


普通の営業マンに、それを求めるのは、今の日本ではまだまだ酷なようです。
ネゴシエーションは、やはり経営者の仕事となることが多いですね。

しかし、割り切りと思い切りで交渉をしようと腹を決めると、意外にすんなりいくものです。

厳しい交渉の矢面に立つこともある我々からすると、「ごめんなさいと心から思っていますが、これしかできません。」とはっきり言えないと話を進めることができないというのは、身にしみています(笑)。

あとは、いかに「これしか」できないと言いながら、相手にとっては、「これがいい」なと思わせられる理屈を準備できるかが腕の見せ所といえるでしょうか。


大事なことは、常にそういう交渉をする覚悟をもってもらうことですね。

そのためには、単に自社からみた解決策だけを考えるのではなく、第三者的にそのトラブルを捉え、判断することのできる俯瞰的な視点を持っておくことです。

その視点の一つとして、法的にどの程度の責任を負うことになるのかという知識を持つことも考えてもらうといいかも知れません。  

Posted by たばやん at 21:04Comments(2)経営

2009年04月05日

誤報の仕組み


ミサイル問題に振り回されている感が否めない今日この頃ですが、昨日の誤報は人的ミスのようです。

ニュースはこちら

生の情報も、人を介すとバイアスがかかるという典型ですね。

「事実」と「真実」が異なるという、刑事事件ではよく直面する課題も同じような問題です。
いずれも、同じものを見聞きしても、人によって受取り方が違うことに起因しています。

今回のことは貴重な経験にしてもらって、組織として万全の伝達経路を構築してもらいたいものです。

ミスは起こるものですから、ミスが起きないようにするのではなく、発生したミスの原因になりうるものを早期に発見できるようにするという見地からの構築が重要ですね。


会社の組織も同じです。

よくミスが発覚してから、当該担当を怒鳴り散らす管理職や社長さんがおられますが、あれは自分が馬鹿だと言っているのと同じです。

ミスの原因になりそうなものを事前に把握するのが管理職の仕事。
部下が何も言わなかったという言い訳もよく聞きますが、言ってくるのを待っていたって絶対来ないですよね。

自分が部下だった頃のことを考えれば、分かるはずです。

そもそも新入社員だったりしたら、ミスの原因になりそうなものすら分からないかもしれません。

ある程度、経験を積めば、ミスの原因になりそうなものは痛いほど、わかってきますが、それでもミスになっていないのに、わざわざ「このままだと、ミスになりそうです」と報告してくる人はいないですよね。


部下が多くて、ひとりひとり聞いている暇がない。という言い訳もよく聞きます。

だったら、報告の体裁を考えて、ミスの原因になりそうなものが見えるような報告書にすればいいのです。

その辺を考えることなく、(偶然)うまくいけば俺のおかげ、(必然的に)失敗すれば部下のせい。にしている管理職や社長がいると、会社の成長はあまり期待できないですね。



今回の誤報の対応を、どう取るのかで、防衛省の組織レベルが窺い知れそうです。
まさか、担当者のみを処分したり、降格させるようなことはないと思いますが・・・。

どうでしょうか。
  

Posted by たばやん at 09:48Comments(0)経営

2008年10月01日

デジタル化のせいなのか?

ニュースは、こちら


要約すると、銀塩カメラマンだった容疑者は、デジタル化の波に押されて、仕事が減り、パソコンソフトの違法コピーに手を染めたということになりそうです。

一見、デジカメの普及が、こんなところに影響を与えているんだね~。となりそうですが、そうではないですよね。


カメラ屋さんの主人であれば、百歩譲って、まあそういう言い訳もあると思いますし、私が弁護人なら、弁論要旨に情状事情として挙げるかも知れません。


しかし、カメラマンは違うでしょう。

カメラは、あくまで道具。
カメラマンは、何をどう写すかが商売であって、道具である機械のせいにできるはずがありません。


従来まで、できなかったことが、デジタル化でできるようになっていますし、デジタルではできないことは、アナログの銀塩カメラで出来る訳ですから、腕の見せ所が増えることはあっても、減ることはないはずです。


仕事が減ったのを、機械のせいにしてはいけませんよね。

中身で勝負してもらわないと。

  

Posted by たばやん at 12:04Comments(0)経営

2008年09月30日

九州知的財産マネジメントスクール2008開講します!






昨年、九州経産局と弁護士知財ネット等の共催で開催しました、知財マネジメントスクールが今年も開催できるようになりました。

詳細は、上のチラシをご覧下さい。


昨年は、商標を中心に取り上げましたが、今年は、いよいよ特許です。

特許は、「知財」のイメージの中心的存在でありますが、その活用はなかなか難しいのが実情です。


今回のマネジメントスクールでは、単に特許に関する法的知識を学ぶのではなく、実務的なノウハウや、戦略・戦術の立て方まで踏み込んだ、実践的なものになる予定です。


ご興味・ご関心のある方に多数参加頂ければと存じます。



よろしくお願いします!  

Posted by たばやん at 10:42Comments(0)経営

2008年09月02日

複数の柱

独占的なテリトリーをもらって、代理店として商売する。

いいねえ。と思いますか、リスキーだなと感じますか?


テリトリー内の独占権があれば、少なくともその商品は、うちでしか扱えない訳ですから、その商品に魅力があれば、商売としては「おいしい」感じがしますね。

一方、その独占代理店契約からの売上に頼ってしまうと、その代理店契約が打ち切られたり、理不尽な対応を取られた時に、経営者としては、どうしようもない状況に追い込まれることもあります。


法律では、継続的取引関係を保護する判例が積み重なっていたり、下請けを保護する法律があったりしますが、それらの保護が、結局、事後的なものでしかありません。


現に、今、元請や販売元から、理不尽な要求を突きつけられているときに、監督官庁や、裁判所に駆け込んだとしても、意趣返しで、出荷や仕事の依頼をストップされてしまうのが、関の山です。


元請けや、販売元とケンカするときは、自社との事業や取引は潰れているか、ストップしてしまうのを覚悟しておかなければなりません。


つまり、今の事業や取引を続けたければ、理不尽な要求も受けざるを得ないのです。


まさに、理不尽ですね。
同様の状況に追い込まれた相談者からは、「大人のいじめですね。」と言われました。


その通りだと思います。


その理不尽に対抗するためには、同社との取引がストップしても事業を続けることができるだけの他の取引先や、売上先を持っておかないといけないのです。



売上を一つに頼っていると、予定調和が壊れたときに、何もかも一旦、失ってしまう可能性が極めて高いのです。
法律は、基本的に事後的な救済しか、できません。

仮に、出荷を求める仮処分を出してもらったとしても、納期までに間に合わなければ、何の意味もありません。


そういう意味でも、売上・収入の柱を複数持っておく。というのは重要なリスクヘッジになります。


お客さんが数社だけ。という状況は、基本的に危ないですよ。
  

Posted by たばやん at 19:42Comments(0)経営

2008年08月27日

振り回されない

経営上、相手方との交渉は当然生じますよね。

そのとき、どういう戦略を立てますか?


最近、相談に来られる方で、多いのは、「相手方のこういう主張は正しいですか?」という質問をまずされる方です。


まず最初に、この質問が出るのは、経営者としては非常にまずい。
その人の思考の中では、相手の作った前提に乗っかるのが、まさに前提になってますよね。
勝てないなら、認めるかという論理なのでしょう。

それが正しいか否かと、戦略として取るべき結論は、次元が異なります。
(ここで言っている、正しいとは、違法・合法レベルの正しいではありません。理屈として通るか否かくらいのレベルですね。)


うちは、(交渉の結果・おとしどころは)こうしたい、こうなりたいという結論を持っている。
そのためにこういう理屈を出そうと思っているが、これはまず正しいか?

という質問がきて、次に、うちのその理屈が正しいとして、相手からは、どういう反論がくるか?、その反論は通るのか?
という質問がきます。

そして、ちなみに、相手方からは今、こういう主張がきているが、どうか?という質問がくるべきです。

その中から、自社に最適な結論を導き出していくのです。


交渉は、自分の意図する結論に導くためのもの。
裁判とは違います。

スタートは、自分の意思です。
それをはっきりせず、相手方の主張に乗るべきか、どうかという点に終始してしまう人が少なくありません。

これは、経営だけでなく、個人の法律問題でも同じです。


「向こうが100万払えと言ってきてますが、払わないといけないのでしょうか?」

話のきっかけで、とりあえず聞く分には構わないのですが、私が、まずあなたはどうしたいのですか?と聞いても、裁判したら負けますか?、とか、やっぱり100万円より安くはならないのでしょうね。と完全に相手の主張が正しいという前提に凝り固まってしまっている方は、少なくありません。


向こうの言い分が100%正しいことなんて、まずそうありません。

どんな問題でも、まず自分はどうしたいのか。
それが、認められる確率は、どの程度あるのか?

それを見極めることが何よりも先にしないといけないことです。
相手の言い分の検討は、もっともっと後なのです。


自分を軸に進めないと、交渉には勝てないですよね。
まあ何を持って、勝つというのかは難しいのですが。

  

Posted by たばやん at 21:00Comments(0)経営

2008年08月05日

ネゴシエーションは、ある種独善的に。

最近、契約等のネゴシエーションの段階から相談を受けることが多いです。


私の相談者は、みんな人がいいのか、過去の自分の発言にとらわれて、容易に前言を撤回できないと思いこんでいることが少なくありません。

しかし、交渉は、相手の出方や、意向によって、こちらの判断や条件が変わることは当たり前です。
それは、相手もこちらもお互い様。


契約として固まるまでは、いわば双方が右往左往するのです。


ですから、こちらが前言を撤回することを気にしていても、はじまりません。


交渉は、交渉。その経緯は、どのようなものになるかは誰にも分からないのです。
しかし、交渉の結果、一旦、結ばれた契約は、それが互いを拘束する約束になります。


約束を破ったら、当然ペナルティを課せられると思ってください。

たまに、契約を結んだ後に、どうにかならないか?という相談がありますが、一旦、結んだ契約を変更するのは、極めて困難です。
だからこそ、契約を結ぶまでの交渉をしっかりしないといけないのです。



日本人は、交渉下手と言われますが、交渉は、経験です。
経験を積む必要があると認識することで、だいぶ変わってくると思うのですが、なかなか難しいようですね。


また、契約するときにもめたくないといって、大事な条項を保留することがありますが、それもトラブルの元でしかないですね。


交渉時に、上手く話しがまとまらないとしたら、後々になっても、上手くいく訳がありません。
お互いにとって、言いにくいことこそ、始める前にしっかりと議論しておかないといけないのです。


これは、ビジネスだけではなく、もしかしたら結婚とか友達付き合い、人付き合いでも一緒かもしれませんね。


最初に、しっかり自分を分かってもらった上で、付き合うとその後が非常に楽なのです。



ビジネスも最初の交渉が、大事なのです。
そこで、自己の主張をどれだけ伝えておけるか(相手が飲めるかどうかは別問題です。)、逆にこれは伝えておかないといけないことを持って、交渉に臨めるか、が重要です。


そのためには、自分達の有利な点、不利な点をしっかり分かっておかないといけません。

そこが一番難しいところでしょうね。
  

Posted by たばやん at 23:41Comments(0)経営

2008年08月01日

おたくもですか?

今週も、あっというまの一週間でしたね。

このまま、年末になりそうです(笑)。


ところで、単なる偶然かも知れませんが、相談の内容が、重なることがよくあります。

最近では、企業の乗っ取りに関する相談が、2,3件立て続けにありました。
前に、アパレル関係の相談が続いたということを書いたこともありましたね。


まあ、単なるタイミングなのでしょうが、こういう時は、後の方の相談者がちょっと得しますね。
どうしても、最近同じような相談を受けましたよ。という話になりやすいからです。

もちろん、守秘義務がありますから、内容が特定されるようなことは話しませんが、ケーススタディとしては、最良の素材ではあります。

まあ、大体1回の相談で解決することはありませんから、あまり差はないのですが。


さて、肝心の企業の乗っ取り、色々な形で現れます。
取引先が、自ら営業拠点を出す形で、自社を飲み込もうとしたり、元役員が、顧客と従業員を引き連れて、独立したり。

はたまた、知らない間に、自社株が譲渡されていて、怖そうな人が(株を)買うか、(会社を安く)売れ。と言ってきたり。


せっかく育てた会社が、こんなにも簡単になくなるのか。と目の前が真っ暗になる経営者も少なくありません。

それぞれのケースで、対応する方法は、異なるのですが、いずれも大事なのは、そういうこともある。という想像力を働かせていたか否かです。

どのようなケースも事前にしっかりと想定して対策をしておけば、なすすべなし。ということになることは、まずありません。


経営者に必要なのは、想像力。
こうなったら、どうなるか?をいつも頭のスミに置いておかないと、いざというときに、慌ててしまいます。

「慌て」は、「焦り」に替わり、「焦り」から「判断ミス」は生まれます。


どんなことでも起こりうる。
そのとき、どうするか。は決めてある。

これが、強い経営者だと思います。

もっとも、たまに、こうする。と社長が、独断で決めていることが、法的に許されなかったり、間違っていることがあります(笑)。


行動を決めておくための相談は、必ず事前にしておいた方がいいですね。
  

Posted by たばやん at 18:46Comments(0)経営

2008年07月25日

意外に。という価値

先日、空港で軽食コーナーと呼ぶようなところで、パスタを頼みました。


ペペロンチーノが好きなので、それを頼んだのですが、待ち時間わずか1、2分。


間違いなく茹でてはないですね(笑)。


おそらく、レンジでチンするタイプのものだと思います。


しかし、これが結構美味しい。

味オンチを差し引いても、結構やりよるのです。


技術の進歩には驚かされますね。


そもそも空港の軽食コーナーに正装してディナーをとりにくる人なんていないでしょうから、味は最上位のプライオリティではないですよね。


スピードがやはりプライオリティとしては高くなります。


その分、味は期待出来ない。というイメージがありましたが、今回はそれが良い意味で、裏切られました。



あえて、空港の高いレストランに行かなくても、そこそこのものが食べられること。


意外に、「そこそこ」がもつ価値って大きいんじゃないかな。と思った10分間の食事時間でした。
  

Posted by たばやん at 09:36Comments(0)経営

2008年06月23日

アルバイト

土曜日は、法教育の関係で大分大学で開催された学会に参加してきました。

学会の話はまた改めるとして、今日は昼御飯を食べに入った食堂の話を。


大分大学に行ったことのある方はご存知だと思いますが、あそこは周りにご飯を食べるところが、ほとんどありません。


せっかくなので、大分名物とり天を食べようと思っていた私の出鼻は、思いっきりくじかれました(笑)。


とはいえ、なんとかみつけたうどん屋さんに入ると、とり天定食がメニューにあったので一安心。


それを頼んだ後は、料理がくるまで、店内の様子を観察することに。


どうやらそのお店は、オーナーさんが一人で、あとは全てバイトの学生さんのようでした。


そのご主人がバイト生に出す指示が、極めて細かい!

何を誰がどの順位でやりなさいというのを、厭わず繰り返し指示しています。


たしかに食堂のお昼のオペレーションは、相当の技能が必要です。
誰がどういう状況かを見極めて、自分の仕事の優先順位を決めていかないといけません。
その状況は、言い過ぎではなく、秒単位で変わるので、向いてない人は、ほんと向いてません。



うちも実家は、飲食店ですので、よく分かります。


とはいえ、そこまで言わないかんか?というくらいでした。


過去、相当嫌なことがあったのか、はたまた最近の学生は、指示待ち人間ばかりなのか、あるいは、みんな新人なのか?

理由は全く分かりませんが、びっくりしました。


ここの指示が当たり前だと思うと、他のところや企業にいくと、大変だなあと思いました。


一方、自分の頭で考えさせる(待つ)余裕が、最近の小さなお店にはもうないのかも知れませんね。


いろいろ考えさせられた昼御飯になりました。
  

Posted by たばやん at 22:17Comments(0)経営

2008年06月21日

ドラマ「監査法人」

ここ数日は、バタバタしていて更新できていませんでした。

ブログに書きたいことは山ほどあるのですが、整理して文章にする時間が取れないことが結構、多いですね。
(書きたくても書けない話は、もっともっとありますが。)

自宅に戻ると、パソコンを開かないようにしていますので、なおさらです。
最近は、携帯でUPすることをようやく覚えましたので、ちょっとした話でもいいので、毎日更新できるようにしたいと思います。

せっかく、時間を取って、見に来てもらっているのに、更新してないと申し訳ないですからね(笑)。


先ほど、先週放送されたドラマ「監査法人」をようやく見ました。
綾水会ブログでも、永野会計士から紹介があってました、話題のドラマです。


結構、面白いですね。

ドラマを見ていただいて、皆さんに考えて頂きたいし、改めて自分でも考えてみたいと思ったのは、「監査」とは何かということと、「上場」することの意義です。


我々弁護士も、会計士もその報酬は、クライアント(依頼者)の企業からもらいます。
弁護士は、企業側に立って、訴訟をしたり、アドバイス業務をするわけで、基本的に対立する構造にはなりません。


しかし、会計士は、監査業務を請け負うという場合は、完全に対立します。
監査する側、受ける側になるのです。


ところが、その費用は、監査する側が、される側からもらうということですから、このドラマのように、旧来の馴れ合いの関係になりやすい素地は、十分あるのです。

ここで監査は誰のために、どうして行う(べき)なのかという問題と絡んで、会計士の苦悩が生まれます。
ドラマでは、主人公が、その苦悩をどう乗り越えるのかが、一つのテーマでしょうね。


さらに、「上場」とは何か、何のためにするのか、という問題も関連してきます。


ドラマの中では、架空売り上げや、売り上げ計上の前倒しで成長してきた会社社長が、「いままでこうやってきた、日本の企業はこうやって成長してきたのだ」という旨の台詞を言います。


ずさんな会計の企業が、今でも数多くあり、それらに現在の会計基準を適用すると、不適正となることは間違いないでしょう。
しかし、だからといって、そのような企業が、「上場」していいのか、というと、それは別次元の問題でしょう。


会計基準に従うのが無理な会社は、上場すべきではありません。
それどころか、個人的には、株式会社にもすべきではないと思います。


個人経営として、個人の責任の範囲でやってもらいたいと思います。


会社として、事業を行う。その会社の株を不特定多数の人にもってもらう。この責任を果たすためにすべきことの一つ、最低限の一つが、会計基準に従うということです。


それではじめて、相手(取引先や株主になろうとする人)が、自分が負うべきリスクの評価ができるのです。


監査が誰のためにあるのか、何のためにあるのか。


それは、上場する企業が、最低限の自分の責任を果たすためであって、その関係者のためにあると考えます。
自分の責任・義務を果たすために、自らの費用で、自らを監査してもらうのです。


それが、上場する企業の責務だろうと思います。


これが、今の私の大雑把な監査の考え方ですが、これが正しいかどうか、ドラマを見終わっても、変わらないかどうか、考えてみたいと思います。


ドラマの時代設定は、今、2001~2年でした。

ここ数年で、会計監査、監査法人を取り巻く環境は、大きく変わっています。
ドラマの中で、それらの変動が描かれていくことでしょう。


第2回の放送は、今日です。

ぜひご覧ください。

そして、監査って、何だろう。ということを考えてみてください。
  

Posted by たばやん at 10:06Comments(0)経営

2008年06月13日

真の「おもてなし。」

昨日の福岡は、風が心地よかったですね。

あの風に吹かれながら、芝生の上を歩けば、気持ちよかったでしょうね~。
BIG、当たらないかな(笑)。


そんなことを思いながら、昨日は、午前中、柳川の裁判所でした。
その後、打合せ等々をすませると、もうお昼。

せっかくなので、柳川名物のうなぎを頂くことにしました。


もう福岡にきて、十数年になりますが、実は、きちんと柳川観光をしたことがありません。
今の事件が終わったら、ゆっくり川下りをしてみたいと思っています。


で、昨日は、老舗かつ柳川で一番おいしいと評判の某有名店へ。

たしかにおいしく頂いて(でも、うなぎとしてはそんなに高くありません。東京で食べると、なんだこれ?という味なのに、べらぼうに高い店がありますよね。)、帰ろうとした時のことです。


おそらく先々代のおかみさんだったと思われる、おばあさんから、「いらっしゃいませ」の一言を受けました。

お店に出ていたのではなく、たまたま買い物か何かから帰ってこられたようでしたので、服装からはお店の人とは全く思わず、私は、お客さんだと思っていたので、少しビックリしましたが、その一言は、柳川弁でした。

その後、相当昔の写真や、有名人の写真が飾ってあったので、少しの間、話しを聞かせてもらいました。


ご存じの方は、分かると思いますが、柳川の地の人は、独特の方言を使われます。
打ち合わせをしていても、実は、半分くらいは自分で推測して、なんとか理解しているくらいです(笑)。

ですから、おばあさんの言葉も、正確に全て分かった訳ではありませんでした。

ですが、その言葉は、とても温かく、心に残るものでした。

全く、無理をしていない、営業用ではない、心からの感謝の言葉であることが伝わるのです。

これまでのお客さんに感謝し、今、ここにいるお客さん(私)にも感謝していること。
それが、嘘偽りでないことが、十分に伝わりました。

そこに、「おもてなし」の神髄を見た気がしました。


老舗には、理由があります。
老舗であり続ける理由が、どこかにあるのです。

このお店は、間違いなく、おかみさんの人柄でしょう。

さすがだなと思って、お店を後にしました。


あの方の精神が、脈々と受け継がれていく限り、このお店が、船場吉兆のようなことになることはないでしょう。

また、行きたいと思います。  

Posted by たばやん at 22:22Comments(0)経営

2008年06月10日

「ビジネスアイデア創出セミナー」開催のお知らせ

今日は、綾水会でしたが、仕事が間に合わず、交流会を早々に引き上げて、事務所に戻ってきています(泣)。


交流会でのネットワーキングが、この会のキモなのですが、最近は、途中で帰らないといけない回が続いてます。
最後までいて、片づけをした記憶がないですね・・・。反省。


で、今日は、綾水会にも参加されている福岡ビジネス創造センターの出田さんからの情報提供の転送です。


ベンチャーもそうですが、人の気付かない課題を発見することから、ビジネスチャンスは生まれます。
意外と、ぼんやり問題点は、分かっていても、具体的な解決課題ははっきりしていないことは少なくありません。


例えば、うちは、営業が弱いなあとぼんやりとした問題認識はあるのですが、じゃあ営業の何が問題なのか、
見込み客の選定方法に問題があるのか、営業トークの問題なのか、実は、商品力の問題ではないのか等、具体的に解決すべき問題(課題)までは、行き着いていない会社は、多いと思います。


そのような具体的な解決課題を見つけ出し、そこからビジネスのアイデアを生み出そうというのが、今回のセミナーのキモだと思います。

私もぜひ行きたいと思ったのですが、残念ながら日程が合いません・・・。


ご都合のつく方は、ぜひご参加下さい。

以下、転送です。

∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴
ビジネスアイデア創出セミナー
(主催 福岡ビジネス創造センター) 
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴

私たちは、ビジネスの様々なシーンで課題に直面します。その課題はしばしば
『矛盾』を含み、『無理難題』と思えるものです。もしそのような課題を解決する
ためのアイデアが、次々と湧き出るしくみがあるとしたら、ぜひ使ってみたいと
思いませんか。
ビジネスの課題を解決する革新的なアイデアを創り出す合理的方法論-TRIZ
のセミナーを開催します。
なぜ今TRIZなのか?アイデアがわき出る方法とは?企業での具体的な事例は?
TRIZ とは、旧ソ連で生まれた問題解決技法です。その後、1992年の冷戦
終結後に西側諸国にも伝えられ、問題解決のためのアイデアを創出する思考
支援ツールとして発展してきました。従来は製造業の製品開発に利用されてきま
したが、最近は、いろいろな分野のビジネスにも広く適用されるようになってきま
した。
科学的発想手法であるTRIZの企業での活用事例を学び、革新的アイデア
創出のしくみに触れることは、様々な分野のビジネス課題解決の糸口となるに
ちがいありません。
多数の皆様のご来場をお待ち申し上げます。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
詳細はこちら↓をご覧ください。
http://www.fbcc.jp/center/36498.html
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

<開催概要> 
○日時  平成20年6月27日(金)15:00~19:30
○場所  福岡ビジネス創造センター(シーマークビル1F)
○参加無料(交流会は2000円、センター賛助会員は交流会も無料)
○プログラム
・15:00~16:20 「利益とやる気を出す道具とは」
株式会社アイデア 代表取締役 前古 護 氏
・16:35~17:35 「“TRIZ”の製造系への応用」
製造業の商品開発事例(予定)
・17:45~19:30 交流会

※参加ご希望の方は、氏名・所属・連絡先・交流会参加の有無をFaxまたは
E-mailでご連絡ください。
※駐車場はございませんので、公共交通機関でお越しください。
(周辺にも駐車場はございません)

*主な公共交通機関のご案内*
○天神方面から西鉄バスご利用の方
(天神郵便局前バス停-アイランドシティバス停)
[22-N] アイランドシティ行き 14:21発 14:45着
[210] 雁の巣・和白行き    14:35発 14:53着
※なお、[23-B][27-B][28-B]等にて留学生会館前バス停下車の場合、徒歩20分程度
です。
○JRご利用の方
(千早駅)千早駅よりタクシーで約6分
(香椎駅)香椎駅よりタクシーで約5分

お問い合わせ先
福岡ビジネス創造センター 出田(いでた)
TEL 092-672-7001 FAX 092-672-7041 
E-mail info@fbcc.jp
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Posted by たばやん at 21:26Comments(0)経営

2008年06月09日

ミズノのジレンマ

スピード社の水着、レーザーレーサーが話題の水泳ですが、昨日、北島康介が世界新を出したことで、結果はでましたね。

水泳連盟が、日本企業の水着に限るという結論は、ありえないです。
そもそも連盟が、決める話じゃないでしょう。

あとは、個人契約の有無ということになりそうです。


北島とミズノは、着用の契約を結んでいるようですが、ミズノはどうするでしょうか。


契約したのに、肝心のオリンピックで着てもらえないとなると、契約金等、いままでの費用は、全くのムダになります。

一方、ミズノを着たから、負けたということになると、プロモーションツールとしては、全くの失敗。水着だけでなく、全てのミズノ商品にとって、逆効果になるでしょう。


どっちを選んでも、あまりうれしい話ではないようです。
まさに、ジレンマに陥ってしまいました。



レーザーレーサーで世界新を出したのですから、オリンピックでミズノを着ても、さらなる新記録をださないと、やはり水着の差か。と思っちゃいますよね。

ミズノの戦略としては、今回、北島にさらに世界新を出させる新しい水着が、用意できない以上、次のチャンスを待つべきです。


プロモーションは、結局、顧客への印象度の勝負です。
これだけ、レーザーレーサーの印象がいい中で、オリンピックをミズノにプラスのプロモーションに転換するのは、至難の業と思います。


ミズノ担当者は、残念無念でしょうね。


しかし、水着は、もはや道具になってきたようです。


たしか、カールルイスの魔法の靴と呼ばれたスパイクは、ミズノ製でしたね。
皮肉な話です。


オリンピックが終わったら、レーザーレーサーは、水着か、道具かの議論は、きちんと整理しておくべきでしょうね。  

Posted by たばやん at 23:30Comments(0)経営

2008年05月23日

九工大インターンシップ受け入れ企業さん、募集中

九工大では、この夏、インターンシップで学生を受け入れてくれる企業さんを募集しています。

詳細は、次のとおりですので、ぜひご検討下さい。

最近、個人的には、九大との関連が多いですが、九工大も頑張っています。
ぜひよろしくお願いします(笑)。

以下、ご案内メールの転載です。


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◆ キューテックコラボ・インターンシップ(学生の就業体験) ◇
◇          受け入れ企業募集のご案内  ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

キューテックコラボでは、今年度の夏季休暇中における学生(対象:九州
工業大学3年生、大学院1年生)の就業体験(インターンシップ)にご協力を
いただける企業を募集いたします。
事業の趣旨や受け入れまでの流れをまとめた資料をホームページに掲載
しておりますので、是非ご覧下さい。

インターンシップに参加をご希望の方は、「エントリーシート」「受け入れ情
報」の2点をWEB上でダウンロードしていただき、EメールまたはFAXにて
送付下さい。
皆様のお申し込みをお待ち申し上げております。

【インターンシップ受け入れ企業募集のご案内】
http://www.ccr.kyutech.ac.jp/collabo/internship-boshu.html

【概要・主旨(リーフレット)】
http://www.ccr.kyutech.ac.jp/collabo/internship.pdf

【受け入れまでの流れ】
http://www.ccr.kyutech.ac.jp/collabo/internship-ukeire.pdf

【提出書類1】エントリーシート<5月29日(木)締め切り>
http://www.ccr.kyutech.ac.jp/collabo/entry.xls

【提出書類2】インターンシップ実習受入情報<6月6日(金)締め切り>
http://www.ccr.kyutech.ac.jp/collabo/internship-ukeire.xls

【インターンシップ実習受入情報の記入例】
http://www.ccr.kyutech.ac.jp/collabo/internship-kinyurei.xls


インターンシップ受け入れ情報は記入例を参照下さい。
提出書類に空欄があっても受け付けますが、必須事項につきましては
後日ご確認の連絡をさせていただく場合があります。

ご不明の点はお気軽にお問い合わせ下さいませ。

電話:093-884-3485
FAX :093-881-6207
メール : kyutech-collabo@ccr.kyutech.ac.jp

担当/中牟田・安田



ということです。

インターンシップといえば、夏休み等の長期休暇を利用してというのが、一般的で多いと思いますが、個人的には、それに限定する必要は全くない。と思っています。

週末の土曜だけ。とか、月水金の午後6時から。とかでも、問題ないと思うのですが、どうですかね。

まとまって、1週間だけというよりも、ぼちぼち3ヶ月とかの方が、お互いよく見えていいと思うのですが。

インターンと、バイトの中間的なところが狙い目ではないかと思います。


とにかく、今の学生が何を考えているのか、知りたい企業さんは、ぜひ検討していただければと思います。

  

Posted by たばやん at 17:03Comments(0)経営

2008年05月13日

文系?理系?

ニュースは、こちら


どうも勘違いしやすいようですが、「文系」、「理系」って仕事をする分には、関係ないですよね。

「理系」の大学を出て、「文系」の弁護士の仕事をしている私が言うのですから、間違いありません(笑)。


日本では、いつから文系、理系とくっきり線が引かれるようになったのでしょうか?
外国では、どうなんでしょうね?

その辺は、よく分かりませんが、いずれにしても、文系だから、理系だからと、過去の出自でしかモノを見られない経営者に当たってしまったことは、不幸だったと言わざるを得ません。


大事なのは、今、その仕事に対する能力がどれくらいあるか。それに尽きるはずですけどね。


  

Posted by たばやん at 11:20Comments(0)経営

2008年04月17日

今日雨なのも、自分の責任

昨日から、QBS3年目(笑)の授業がはじまりました。

単位は足りなかったものの、前期は1年生のときに張り切って取っている科目が多いので、逆に今年受けられる講義があまりありません。

前期では、3つか4つの科目を履修する予定です。

どれか、一つでも単位が取れれば、夏に卒業できます(恥)。

なので、講義自体は、こないだの土曜日からはじまってましたが、私のスタートは昨日から。


昨日の講義は、今年度から新しくできた「資産運用とリスク管理」という授業です。
今年度から新しくできた授業は、けっこうあって、3年目の授業料を払っても惜しくない、お得感があります(笑)。


昨日の授業は、金融商品市場の内情やファンドマネージャーの実際の行動等を学ぶことを通じて、リスク管理を考察するものになるようです。


担当の先生は、自己紹介をはっきりされませんでしたが(笑)、ディーラーの経験もあるそうで、話は面白かったです。


先生の話の中で、感心したのが、タイトルの言葉です。


金融市場の中に身を置いて、仕事をしていると、「自己責任」が身にしみる、というか、何でも自己責任であると思っておかないと、やってられない世界なのでしょうね。


最近の何でも人のせいにする風潮に、だいぶご立腹なようでした(笑)。


たしかに、雨に遭いたくないなら、前の日から、雨の降らない場所に移動しておけばよいわけで、それをしないで、雨が降ったのを天気のせいにするのは、リスク管理としては、甘いと言わざるを得ませんね。

結局、なんでも自己責任である。という考え方は、私は結構好きです。


司法試験も、難しいと言われてますが、受からないのを試験問題のせいにする人に限って、なかなか合格しなかったりします(笑)。

ロースクールに入ったものの、あまり上がらない合格率を聞いて、騙されたといっている方も、同じ穴のむじなでしょうか。
合格率が上がれば、自分も受かるのではないかという全く合理性のない理由を信じて、ロースクールに入るという選択肢を選んだのは、自分自身なのに。



そもそも、選択肢は、無数にあって、どれを選択するのかは、人それぞれの自由です。


自由なチョイスをした結果、その責任を問われるのはやはり自分自身。それしかないですよね。


働きたくなければ、働かなければいい。


勉強したければ、すればいいし、したくなければ、しなきゃいい。


年金をきちんとあげますよ。という国の方針を信じてしまったのも、自分自身ですよね。


その結果、どうなるのか、ちゃんと考えて、その選択をしたなら、それでいいはず、納得できるはずです。
しかし、その選択したのは自分なのに、その結果を受け入れない、受け入れられない人が増えているように思います。


そもそも選択することの意味やリスクとリターンを教えてもらってない、学んでない大人が多いのかも知れません。
でも、教えてもらってない。というのは、理由になりません。学ぼうと思わなかった自分の自己責任です(笑)。学ぼうと思えば、学ぶ機会(選択肢)はいくらでもあったはずです。



問題は、働きたいのに働けない。とか、勉強したいのにできない。という選択肢そのものを奪われている状況にある人が社会にいてはならないということです。


それは、本人の努力では、本当にどうにもならないものに限ります(なので、そうそう「選択肢そのものがない」という状況は、この国には、多くないはずです。選択肢はあるのに、それを選択しない、あるいはしたくない人は多いですが。)が、選択の余地がないのは、不公平・不平等です。競争原理や自由社会の前提を欠いています。




いずれにせよ、今後が、楽しみな授業になりそうです。

  

Posted by たばやん at 16:57Comments(0)経営

2008年04月15日

リスクとリターン

ベンチャー企業を経営していて、頭が痛いのは、主に資金繰りと人材確保であるということは、このブログでも再三述べてきたとおりです。


そんな中、ベンチャーキャピタルから投資を受けるという選択肢は、ベンチャー企業経営者の頭の中に常にありうるものでしょう。
逆に、ベンチャーキャピタルから見向きもされないようであれば、まだまだ会社としては実力不足と思っていいかもしれません。


ご存じの通り、ベンチャーキャピタルやベンチャーファンドは、これは!と思うベンチャー企業に投資して、上場利益を得たり、株式譲渡益を得ることにより、自らの収益を上げようというものです。

会社に資金を「貸す」のではなくて、資金を「投資」して、大きな利益を得ようとするのが特徴です。

大きな利益が得られる可能性がある変わりに、投資ですから、会社が潰れれば、株式が無価値になる大きなリスクを負うことになります。
いわば、一か八かな面があることは否めません。

だからこそ、目利きが重要になり、「リスクテイカーである。」そこにこそ、ベンチャーキャピタルの社会的な存在価値があると思っていました。

思っていました。と過去形なのは、日本のVCでは、経営者の個人保証を求めることがあるという議論を最近、目にしたからです。


表明保証の信頼性担保のため、表明保証違反の際に、個人保証を求める条項を入れ込むことはまだ理解できます。


しかし、会社事業計画の未達の際にも、経営者に個人保証を求め、自己が出資した株式の簿価での買取を請求することがあるようです。

それでは、投資ではありません。単なる事業性資金の融資でしょう。しかも単なる融資より、たちが悪いと言わざるを得ません。


日本には、「リスク」と「リターン」をきちんと理解して、実行する土壌は生まれないのでしょうか(涙)。

最近のベンチャーキャピタルは、人材がそもそもそんなにいないため、銀行から流れてくることが多いです。


そのため、どうしても「融資」の発想で、「投資」をしたがるのかも知れません。

悪しき護送船団方式の影が、未だにちらついてなりませんね。



一刻も早く、リスクとリターンを適正に分配できる社会になってもらいたいと思います。

そのための市場が日本には、まだできていないというベンチャーキャピタルの声は分かるのですが、だからといって、それを経営者、起業家におっかぶせるのはやはり筋が通らない気がします。




  

Posted by たばやん at 11:51Comments(0)経営

2008年04月10日

基準は良心?

ベトナムの話です。

ニュースはこちら


ベトナムで生産されるヘルメットの半数に、何らかの品質及びその表示に関する問題があるということのようです。

ベトナムのあの交通量、特にバイクの多さを経験すると、ヘルメットの品質はまさに命に関わると思うのですが、びっくりしますね。

興味深いのは、品質の基準について、『品質検査と品質保証表示は各生産施設の「良心」に任されて行われているという。』という点です。

どの程度の品質を要求するかというのは、その商品の価格や用途によって決まってくるものですが、最終的に誰がそれを決めるべきなのか?という根源的な問題があります。

ブランド品で、数十万円もするものであれば、これくらいの品質でないと買わないという顧客からの基準があるでしょうし、価格にかかわらず、商品の用途として、いくら安くてもこれだけの品質を確保しておいてもらわないと困るという社会的な要請からの基準もありえます。

日本や欧米では、その社会的要請を法令等で、定めることが多いですし、法令等よりも厳しい基準を業界団体として定めることもある訳です。

もっとも、あまりに過度の品質を要求すると、結局余分なコストとなり、消費者である顧客がそれを負担することになります。

そこのバランスが難しいのです。


ベトナムでは、それを業者の「良心」に任せるという思い切った決断をしているということになります。

ここでいう、「良心」とは、価格と品質(表示を含む)を正比例させなさい。ということでしょう。

安いものはそれなりの品質、高いものは相当の品質。
これを業者が良心に従って、保証すれば、顧客は、価格という目安だけで自己の希望する品質の商品を選択することができます。

その方が、顧客、業者、行政といった商品に関わる者のトータルコストとして、合理的、安上がりだという判断なのだと思います。

業者も国民であるはずですから、ベトナムという国は、同じ国民を信じる、あるいは信じられる、もしくは信じようとする(だんだん、信頼性が劣りますが)お国柄といえますね。


ある種、うらやましい面もあります。
  

Posted by たばやん at 11:35Comments(0)経営

2008年03月28日

「タダ」の考え方

仕事柄、講演を頼まれることがありますし、色々な方の講演を聴くこともあります。

聴く側としては、講演会として、きちんと会費を払う時もありますし、無料なときもありますよね。

講師を呼ぶ方も、謝礼をきちんと出せるときと、お車代として交通費実費程度しか払えないときもあります。

私は、講演をビジネスモデルとしている訳ではないので、単純に講演を「仕事」としてみた場合には、ほとんどというか、全くペイしない、ボランティアベースになることがほとんどです。

私以外でも、「講演師」という職業といえる人や芸能人以外は、ほとんど仕事としてはペイしないのではないでしょうか。

それでも、私は、講師を頼まれたら、喜んでお引き受けすることにしていますし、私が聞きに行く多くのベンチャー関連の経営者や大学教授、関係者等は、講師や、スピーカーとしてボランティアベースでも喜んで話してくれているように思います。
話を聞いていたら、その辺は、わかりますよね。

それは、「お金」という目に見える交換価値に捕らわれるのではなく、その「時間」や「意見交換」という目に見えない価値に、大きな価値を見出しているからではないでしょうか。

自分の経験や意見を誰かに伝える。それに対して、フィードバックがもらえる。この時間や経験は、単純にお金には変えられないものです。
聞きに来ている方も、お金は払っていないけれども、時間は払っているのですよね。

話す方、聞く方双方にその時間を過ごすことで、前の自分にはなかった知識や知見、新しい見方が得られれば、経済的には無ではないはずです。

ブログも同じようなものかも知れません。


ですから、無料だから、費用はもらっていないからという理由で、やっつけ仕事的な講演やセミナーを受けると悲しくなります。

話す方に、時間や価値の意識がないのだろうなと思います。

そういう時は、関係者として参加していないときは、すぐに帰るのでいいのですが、関係者だと帰る訳にもいかず、「呼ぶ人間違えた~」と後悔の嵐です(笑)。

「タダ」だからどうでもいい。ということなんて、世の中にはどこにもないと思います。

いつだって、お金(費用)に関係なく、誰かの時間をもらえば、その責任が生じます。
もらった時間以上のもの(価値)を、その人に返せれば、そこに信用が生まれます。

「私は、この人達から時間をもらう価値がありますか?」、これを講師等をする時には、いつも頭に置いて臨みたいと思っています。  

Posted by たばやん at 10:58Comments(1)経営