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2007年07月06日

「見立て」力

弁護士の業務は、紛争の解決、落としどころを、法律的な観点からも視野に入れながら、現実的な判断を提供するところに価値があると思っています。

しかし、弁護士によっては、「法律的な観点から」しか視野にない人もいます。
そうすると、相談した人から見れば、あまり役に立たないアドバイスということになったりするものです。

同じ専門職ですし、国家試験資格ですので、よくお医者さんの診察と比較されますが、お医者さんの診察は、患者さんを直接、検査することができますが、弁護士の場合は、相手の言い分を検査したりはできませんので、見通す対象がかなり不透明になってしまいます。

もっとも、お医者さんも検査をしておきながら、ガンを見過ごすこともあるようで、どこが悪いのか「見立て」るが難しい面もありますね。


弁護士が、裁判したら勝ちますか?と聞かれても、「勝ちます」とは言いにくいのは、相手の言い分があるためです。


しかも、相手の言い分を法的に評価しても、それが直ちに現実的な解決に役立つかというと、そうではありません。

法律的には間違いなく勝つとしても、現実的には、裁判をしても何の意味もないこともよくあります。

その辺の見立てが出来る弁護士がどうかを見極めないと、弁護士費用だけ掛かる裁判をしてしまいかねません。


では、その見立て力をどう判断すればいいのか?

それは、相談者の「質問力」にかかっています。
何が聞きたいのか(現実の解決を求めているのか、法的な評価を知りたいのか)をまず、自分自身が分からないことには、その弁護士に頼むべきか否かが分かりません。

それは、あたかも自分の着たい服のイメージがないのに、服を買いに出掛けるようなものです。
店員さんも勧めようがないですよね。

そこが、何だか調子悪いというレベルで、お医者さんに診察してもらうのと違うところでしょうか。

患者さんが、ここを見ろと言わなくても、検査をすれば、発見することも可能なお医者さんと、依頼者がどうしたいのかを言わないと、ベターな結論を出せない弁護士。

そういう意味では、医者と弁護士、どっちの「見立て」が難しいのでしょうね・・・


  

Posted by たばやん at 19:42Comments(0)法律