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2007年07月11日

労働審判制度とワーキングプア

労働事件の迅速解決を目指して、労働審判制度というものが設けられています。

これは、労働事件(給与未払い、解雇無効等)について、裁判官と審判官(労使双方から1人ずつ)で構成される労働審判委員会が、原則として3回以内の期日にて、何らかの結論をだす手続きです。

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今年の4月から始まったこの制度ですが、福岡ではまだ20件弱しかありません。(「20件弱も」なのかもしれませんが)

とにかく3回以内に何らかの結論が出され、それまでに主張と証拠は提出しないといけませんので、訴えられた相手方の負担は、相当なものとなります。特に証拠書類を集めるのが大変ですね。


最近、ワーキングプアに代表される労働条件の悪化も、早晩、労働審判制度に多数持ち込まれるようになるかもしれませんね。

ワーキングプアの問題では、使用者である会社側の派遣社員制度の悪用や、労働基準法の抜け道的な利用が問題にされることが多いですが、単純に会社側の姿勢を問うだけでは問題の本質は見えないように思います。

最近、日本の労働環境が悪化している一番の理由は、企業の税等の事務処理の負担が大きいのではないかと思っています。


経営者になってみるとすぐ分かるのですが、1人社員を雇うと事務負担、金銭的負担が相当、増えます。
雇用保険料の計算から始まって、労基署等への申告、報告、源泉徴収等々、そこには本来労働者自身がすべき事務作業と思われるや、国がすべきではないかと思われるものも、会社の義務とされていることが少なくありません。

行政が、自ら行うべき税金徴収事務や納税者が行うべき申告義務を、会社が行っているのです。

比較的、企業に余裕があった今までは、その事務代行のために従業員を1人雇うこともできたかもしれませんが、今では多くの企業がその余裕がなくなっているのでしょう。


余裕がなくなれば、それらの負担ができるだけ少ない方へと行ってもおかしくありません。
製造業での労働条件が悪化しているのは、同業が価格競争になっている現実をまさに反映しているといえるのではないでしょうか。


労働条件の改善は、各使用者だけが努力してなんとかなるものでもないような気がします。

  

Posted by たばやん at 22:45Comments(0)法律