2007年09月13日
「家業」と「企業」
今日の午前中は、事業承継の勉強会がありました。
この本は、その時のテキストとして指定されていたものです。
よくまとまっていると思いますので、事業承継にお悩みの方は、読んでみてもいいかもしれません。
事業をやってきた経営者とその家族が、事業の主体を株式会社と名目上しながらも、実体は、個人資産を利用してきていた場合、事業承継という問題の解決が困難になりがちです。
家業を誰が継ぐのかという話と、企業として存続しうるのかという話は本来、全く次元の異なる話であるはずですが、日本の中小企業、零細企業では、その辺の意識がまったくないまま、今まで来てしまったというイメージですかね。
ここに、複数の相続人と、相続税が絡んでくるので、ますますややこしい話になるのです。
しかし、いずれ避けては通れない話ですから、経営者としては、まだ余裕のある時に、手を打っておくべきです。
経営者の高齢化を受けて、この手の話が最近、話題になっているのは、そういう事情があるのです。
事業承継を最も上手くやる方法は、最初に相談する相手を間違えないことです。
誰に聞くかで、どういう方法になるかも変わってきますし、結果も大分違います。
大きな視点で、しっかり企業と、経営者個人の両方がうまくいく方法を探せる人に相談しないと、こんなはずじゃなかった・・・となりがちですので、注意してください。
事業承継の問題は、経営・税務・法務・人事と様々な視点から見ておかないと、トータルとしていい解決にはなり得ない、逆に我々からすると、すごくやりがいのある仕事であります。
ところで、事業承継では、相続税が大きなネックになることが多いです。
この相続税、どう考えても、おかしいですよね。
被相続人が相続対象となる財産を築くまでに、それなりの税金は払っているはずです。
所得税とか、不動産取得税等々、必ず財産の一部を召し上げられているはずで、残ったものが相続財産なのです。
それを、次の世代に引き継ぐだけで、最大50%近くも国が持って行くのは、明らかに二重課税ですよね。
相続税については、従前から議論があるところですが、私はやっぱり理不尽ではないかと思います。
事業承継の問題については、国も政策的に動き出していますが、相続税を安くするだけで、大分問題は簡単になり、助かるはずですが、国はそこには全く触れる予定はなさそうです。
根本的なところを変えないとダメだという問題が、ここにもあるということでしょうか。