2009年08月18日
貧乏はお金持ち
久しぶりに本の紹介です。
だいぶ前に買っていたのですが、お盆休みにようやく読めました。
筆者の最初の頃の本、「マネーロンダリング」は、すごく良くできた小説で、こういうのを書いていくのかなと思っていましたが、最近は、こういうノウハウ的な解説本が多いので、ちょっと残念です。
とはいえ、中身は、知らない人が読めば、目から鱗の話ではあります。
B/S、P/L、C/Sについても、きちんと理解している人ですので、読んでいても整合性が取れており、文脈が分からなくなるということがありません。
実は、会計関係の話を書いている人でも、本当に腑に落ちる理解をしていない人、知識として頭の中で留まっている人が書く文章は、途中で文脈や、意味が分からなくなることがままあります。
したがって、過去、会計の本を読んだけど、さっぱり分からんかった・・・。という人は、読んだ本がまずかった可能性が高いので、再チャレンジしてください(笑)。
前に紹介した会計天国や、この本を読めば、なんとなくでも本質的なところが分かるようになるはずです。
その後、分からなかった教科書みたいな本を読み返せば、すんなり読み解くことができるかも知れませんよ。
ぜひお試し下さい。
さて、内容としては、映画館のくだりが面白かったですね。
企業に勤めるということを分かりやすく喩えてあって、最近では一番の比喩ではないでしょうか。
サラリーマンではあるけれど、なんとなくこのままでは心配な方。
この本を読んで、書いてあることを実践してみるのも一つの選択肢だと思います。
ただ、この本は当然の前提ですが、あえて触れていないことが1つあります。
それは、サラリーマンだろうと、芸能人であろうと、弁護士であろうと、うどん屋さんであろうと、自分自身に商品価値がなければ、誰も買ってくれないということです。
自分自身にどのような商品価値があるのか。それを確認しないまま、サラリーマン法人になると、大変なことになるかも知れませんね。
一番いいのは、会社の経営者がこの仕組みのメリットを理解して、従業員にこの方法で働いても構わないという選択肢を与えてあげることでしょう。
しかし、本でも指摘があるとおり、ほとんどの人がこの方法を取らないのでしょう。
それをメンタリティというのかな・・・。
起業家精神とつながる所だと思いますが、日本人には、「独立(インディペンデンス)」という精神は、あまり好まれない精神構造なんでしょうか。
好きとか嫌いとか言っている場合じゃない時代が、すでに来ているんですけどね。