2006年11月28日

練習のための練習

昨夜、QBSの授業が終わって家に帰ると、受験勉強を再開した妻がパソコンを開いて、なにやら熱心に打ち込んでおりました。

画面を、見てみると私が作成を指示した、過去の試験問題の分析を熱心に打ち込んでいたようで、丁寧に問題文から打ち込み、構成等もきれいにされていたものでした。

私は見た瞬間に、これは、「全くなっていない」と思い、何て無駄なことをしているのかと注意してしまいました。いきなり怒られた妻は、ふてくされてしまいました・・・

しかし、妻の行動は全く私の指示を理解していないもので、受験勉強としては、無駄以外の何者でもないのです。
私が指示した理由は、過去の問題を分析しておけば、本試験で問題を見たときに、出題者の意図が分かるようになるからというものです。
国家試験に限らず、「試験」というものは、出題者の意図が分かっていないと合格点に到達することはできません。「問い」に「答えて」初めて点数をつけてくれるのです。特に論文式の試験はそれが顕著に表われます。
なかなか試験に受からないという人は、知識は十分ですが、このことを見落としていることが多いのです。

短期間で合格する秘訣は、一も二もなく、出題者の意図が分かるようになることです。

さらに肝心なのは、自分がその意図が分かるようになることが分析時の最大の目的であるということを理解していなければいけません。
誰かに見せるために分析をする訳ではないのです。
妻のしていた行動は、まさに人に見せる(私に、分析結果を説明するように頼んでいましたので)ためが第1番目の目的になっていました。これは受験勉強で陥りやすい罠です。他にもコピーを切り貼りして、まとめノートを作ったり、教科書にアンダーラインを引いたりすることがこれにあたります。
一見、これらの行動は、勉強している気にさせます。しかし、大抵の場合、頭には何も残っていません。試験中に、切り貼りしたことは思い出しても、そこに何が書いてあったのかは思い出せないのです。

これらは、まさに練習のための練習にすぎません。試合で使えるための練習になっていません。
妻も詳しく説明するとしぶしぶ納得していました(笑)が、試験に受かるためには、方法を間違えると努力しても報われないことがあるということを真剣に考えなければなりません。

何かを受験中の方は、これは何のためにしているのかというのをよく考えながら、勉強するという癖をつけると早く受かりますよ。

ところで、練習のための練習になっていないかという視点は経営のチェックにも応用できます。仕事のための仕事をしてはいませんか?
例えば、会議用の資料を作る時、いつのまにか、本当は会議でその問題を解決してもらうための資料作りであるはずが、資料を作ること自体が目的になって、見栄えや量ばかりを気にしてしまうことはよくあるはずです。
他にも、営業の本来の目的(受注)を忘れて、顧客の気を引くことばかりに注意が向いてしまう営業マンも多いですね。

仕事においても、何のために今、時間をかけているのかということを常に忘れないようにすると、効率と質の両方を高めることができるでしょう。
とはいっても、なかなか難しいのですが・・・ 
一見、無駄なようで、結果的に意味のあることもありますからね。



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Posted by たばやん at 11:46│Comments(2)経営
この記事へのコメント
とても耳の痛い、考えさせられる内容でした・・・。
QBSや仕事など生活全般において
自己スタイルを見直すいいきっかけとなりました!!
ありがとうございました。
Posted by tetsu at 2006年11月28日 13:25
簡単そうに見えて、これが難しいだよね。
でも納得。。。。
Posted by はっしん at 2006年11月29日 18:50
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