2007年01月16日

不二家とクライシスマネジメント

TVをみていると、不二家の社長の記者会見の模様が流されています。

あの会見、どう思いますか?

会社の危機を迎えた時の記者会見の仕方は大変難しいのですが、ポイントは誰に向かってメッセージをだすか、だしていると考えているかという点を、会見者がきちんと捉えることです。

不二家の社是は、お客様に愛される不二家になろうというものらしいですが、不二家自身はお客様を愛していたのでしょうか。
少なくとも、今日の社長の会見からは、その辺は感じられなかったように思います。
そして、今回の問題も、突き詰めればそこにつきるように思います。

TVは言葉だけでなく、顔の表情や態度から多くのことを伝えてしまいます。
今更、ケネディの例を出すまでもないですね。さらに最近は、ネットでいつでも、いつまでも情報として残るようになりました。
したがって、記者会見に臨む時は、相当の準備をしなければなりません。
ここでの準備というのは、会見を無難にやり過ごすためのものではありません。
伝えたい相手に、伝えなければならないことを整理し、発表するための資料を準備するのです。

今回の相手は、消費者でした。
不特定多数の消費者に、もう一度不二家を信用してもらうためにはどうしたらよいか、どんな情報を提供し、どう説明を果たすべきか。

そのような観点からの考慮や準備がかなり足りていなかったように思います。
会見の場で、担当者や広報に聞かなければならない社長は、明らかに消費者への準備を怠ったといえます。
当事者意識が足りないように思えました。

もっとも、クライシスマネジメントは、特別なものではありません。
常日頃のリスクマネジメントや、コンプライアンスに対する認識がそのまま反映されます。
問題を起こした会社の会見が、おしなべて非常にまずいのは、当然といえば当然のことなのかもしれません。





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Posted by たばやん at 00:05│Comments(2)経営
この記事へのコメント
CSRについて、改めて考えさせられる事件でした。社長といえば雪印事件が思い起こされますが、クライシスマネジメントについて消費者への誠意を持って実践している企業はどれほどあるのでしょうか・・・。
Posted by tetsu at 2007年01月16日 00:49
不二家が叩かれておりますが
おそらくこの原因は現在の流通業界の仕組みにも問題があるのでしょう!
現在の流通業界はスピードと安価での安定供給が求められておます、注文が来たら欠品無く即出荷!これが出来ない企業は取引が出来ないのです、欠品なんぞしたらペナルティー等が発生します、考えて見て下さい、商品が注文して直ぐ製造出来る訳無いじゃないですか!また注文が来なかったらこないで販売店側はロス分を保証してくれません、見込みで造っていた商品や見こんで揃えた原料は全てロスになってしまいます、
それでも販売店側はスピードと安定供給を求めているのです、しかも安い納入価格で!
コンビニや大手スーパーへ対応するにはこれらをクリアーしなくてはなりません、そうなるとメーカー側はロスやコストを問題からいろいろ試行錯誤して対応しているわけです。
今の日本の流通のしくみから考え直す必要があるかと私は思います。
Posted by K&Y at 2007年01月20日 07:22
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