2007年04月16日

後手という生き方




将棋は、全く出来ませんが、ゴール(プロになる)までの考え方が、今までの司法試験受験生と同じだなあと思って、読んでいました。

将棋のプロになるためには、奨励会というところに入って、ある年齢以内にある基準以上に行けなければ、退会させられる厳しいハードルがあります。

将棋の天才、神童と呼ばれた子供が集まってくるのですから、そのレベルは当然高く、誰もが退会せずにすむ訳ではありません。

退会後、将棋しか知らない自分の現実をどう受け止めればよいのかというのは、司法試験に挑戦し続けて、就職する機会を見失ってしまった司法浪人の状況と極めてよく似ています。


どちらも自分がなりたい夢を一時でもあきらめることが難しいのは、簡単に想像できますから、さっさとあきらめなさいとは簡単には言えませんよね。


将棋の世界では、著者の瀬川プロがなれたように、年齢制限なく実力でプロになる道が開けているようです。

翻って、司法界をみてみると、現行の司法試験は早晩なくなり、ロースクールに行かなければ司法試験すら受けられなくなってしまっています。

ローにいかないと行けないということは、人生を大学卒業時に決めてしまいなさいというのと同じことです。

学生時代の選択では、道を間違えたけど、実はこっちの道(法曹)の方が合っていた人を、有無を言わさず拒絶する今の方法では、瀬川プロのような多様な人材を確保することができないと言わざるを得ません。

将棋連盟を見習って、法曹界ももう少し考え直した方がよいのかも知れませんね。


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Posted by たばやん at 12:42│Comments(0)本の紹介
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