2007年05月08日

小売店が

他店とどう差別化していくのかという古くて新しい経営の問題があります。

今日は、そのヒントとなるような経験をしましたので、何かの参考になればと思います。


どこかから商品を仕入れて、最終的な顧客に販売する小売店では、一番簡単な差別化は、他にどこにもない商品を並べておくことです。

しかし、これだけ商品が世の中に溢れると、全く同じではなくても、よく似たものは他の店にいくらでもあるということは多いですね。
商品そのもののブランドに頼るだけでは、ブランドの力が落ちたときに、一緒に落ちてゆくしかありません。
それはあまりにリスキーです。

それでは、多品種を揃えればいいということになりますが、それでも物理的な限界があるでしょう。

百貨を集めた小売の雄、百貨店が軒並み苦戦しているのは、品種が多いだけではダメだということでしょう。

じゃあ、他より安く売ればいいということになりますが、それも消耗戦になるだけで、あまり健全な経営手法とは言えません。運転資金のあるところにはかないませんね。

だったら、どうすればよいのか?


購入までの過程を、商品価値に入れ込むとどうでしょうか?

先日のブログにも書きましたが、東京での買い物で、買おうかどうしようか迷っていたパンツがありました。
ゴルフ用にと思ったのですが、福岡にもあるだろうと思い、その場では買いませんでした。
(この時点で、私は福岡にあると思っていたお店で買ってあげようと思っていた訳です。ですから、その福岡のお店は、それだけの付加価値を私に与えていたことになります。)

で、2日考えた末、やっぱり買おうということになり(笑)、福岡のそのお店に行ってみたところ、同じ商品は、残念ながらありませんでした。

仕方がないので、市内の百貨店やその他ショップに行ったところ、どこにもありません。
普通ならここであきらめるのですが、今回は、顧客サービスで有名な某百貨店に置いてあるものだったので、電話で購入が可能か問い合わせてみることに。

そうすると、代金引換で買うことができました。


やっぱり、百貨店は違いますねという結論ではありません(笑)。


私は、もう少し出来るのではないかと思ったのです。

その百貨店は、系列店が北九州にあり、資本関係のある百貨店が福岡市内にもあります。(だいたい分かってしまいますね。伊○丹です。)

私は、当初市内の百貨店へ商品を回してくれるようにお願いしたのですが、それは無理なようでした。

しかし、私が市内の百貨店で実際に試着して、裾も直してもらえていれば、その経験は商品代金以上の付加価値を生んでいたことに違いありません。


事業として、商品の流通経路まで構築されていないのかも知れません。
しかし、顧客からすれば、そこに事業関係のある店舗があるのが分かっているし、逆にそれしか分かりません。
なぜ、出来ないの?と思わせてしまう損失と、そこまでしてくれるの!という利益は、比べようもないでしょう。

最大限できる範囲(と顧客に思われている範囲です。できるできないを自分達で決めても、顧客はその決定を納得してくれるとは限りません)のことを、提供することができれば、例え同じ商品を並べていても、その小売店は生き残ることができるのではないでしょうか?

これは企業の規模は関係ないような気がします。

しかし、それは単なる個人の感情ではないか。
そうです。でも人間は、何事も最終的には感情で選ぶのではないでしょうか。

小売業は、それがある意味直接的に反映してくるような気がします。

顧客が期待する以上のサービスを受けることによる好印象・好感情を積み重ねていくこと。
その為に、最初のコンタクトを何よりも重要視すること。(伊○丹も、最初の電話の対応から、親切でした。)
これが独自の付加価値となり、他店との差別化につながっていくのではないでしょうか。


ちなみに、今度から私は、伊○丹の優先順位を上げることにし、悩んだら買うことにしました(笑)。

小売業、大変だけど、面白い商売ではありますね。





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Posted by たばやん at 18:26│Comments(0)経営
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