2007年06月20日

上司の選び方

上司と親は選べないのが通説(笑)ですが、その選べない上司と親が、間違った行動をしているときに、どう是正させるかというのは、難しい問題です。

結論からいうと、法的にどうこうするというのはとても険しい道のりを超えないといけません。

親が間違うというのは、児童虐待等を行うのが典型ですが、児童虐待は、けがをしたり、最悪の場合は殺されるまで、外部にはなかなか分かりません。

児童相談所等の公的機関の方々も頑張っていますが、なかなか人手も足りず、後手後手に回ることが多いようです。家庭の中に公的な機関が入ることの是非から問題になりますから、本当に難しい問題ですよね。

一方、会社における上司が、間違った行動をとる場合、これも法的には対応が難しい問題となります。

いわゆるパワーハラスメントがその象徴といえるのでしょうが、パワーハラスメントをした=法的に何ができるか?と考えると、今のところ、その上司と会社に対する慰謝料請求、パワハラ行為の差止めぐらいしか思いつきません。

しかし、それは会社という「小社会」の中で現実的な選択肢かというとそうではありません。

それを選択すれば、遅かれ早かれ会社を辞めざるを得ないというのが、現状ではないでしょうか。
被害を受けた側が、会社を辞めないといけなくなるのは、本当はおかしな話なのですが、現実には、それが一番早い解決方法だったりします。


本来、そのような上司を上司にしてはいけないのですが、上司としての能力の有無は、上司にさせてみないと分からないんですよね。
課長として有能だった人が、昇進して部長になったとたん、そのマネジメントがおかしくなることはよくある話です。
管理職としての容量が、人それぞれであるのでしょう。

もっとも、ヒラ社員ではだめだったけど、社長になったらすばらしいという人は、あまりいません。逆にそういう人は、起業家になっていると思いますが(笑)。

なので、悩める上司に当ったら、運が悪いと思ってあきらめるか、思い切って転職するかという選択肢をとる、あるいはとっている人が少なくないです。

しかし、やっぱりそれでは真の解決になりませんよね。

なので、経営者としては、それらの問題を相談できる人事の人間を置いておく必要があります。
以前は、労働組合がその役割を果たしているところが多かったのですが、最近は、社内組合がないところの方が多いような感じがします。

相談場所も組合もなかったら、組合を作ってもよいのですが、そのためには相当なエネルギーが必要ですから、なかなか行動には移せないことが多いでしょうね。

内部通報制度と趣旨は少し異なりますが、同様の制度を設けて、活用することで、無用の混乱や軋轢がなくなるかも知れません。
なにか、社内がぎくしゃくしているなと感じたら、そういう制度を設けてみると、問題が見えてくるかも知れませんよ。

ところで、パワーハラスメントで相談をしにくる新人さんの話のほとんどは、聞いてみるとパワハラではないそうです。学生の頃から、まともに怒られたことのない人は、ちょっとしたことでヘコむのでしょうね。
もっとも、叱り方の下手な上司も増えているように思います。

人を育てる上で、「叱る」ことは必須だと思いますが、言い方一つで、真逆の効果を生じさせることもありますよね。

難しいですね。


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Posted by たばやん at 19:12│Comments(0)法律
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