手法は任せる

たばやん

2010年06月16日 19:11

知り合いの経営者さんに、従業員一律に同じような営業手法をさせようとする方がいました。


例えば、スーパー営業マンさんの営業手法をみんなで共有しようと、社内で発表会をしたり、勉強会をしたりしているところは少なくないですね。

大企業の保険会社とかはしょっちゅうそんなことばかりしているようなイメージがあります。


他の人のやり方を学ぶのはとても大事なことであり、それ自体は否定しません。



だけど、そのスーパー営業マン、スーパー販売員のやり方をまねた他の従業員がみんな、スーパーに進化しているのかというとほとんどまずない。というのが実情ではないでしょうか。


なぜか?

 
やり方は、やっぱり人それぞれなんだから。これに尽きますね。


それぞれが持つパーソナリティー、例えば、声質、話し方、性格等、どれをとっても同じ人はいません。


それを無理矢理合わせたところで、上手くいくはずがない。


最初の何ヶ月かは無理が利いても、いずれぼろがでます。続きません。


ですから、手法をまねる、統一するというのはあまり有効な方法ではないと思います。



それ以上に、そういう方法をとる経営者の方が気づいていないのが、方法を決めることによって、従業員の言い訳を用意してしまうことになることです。



そもそも営業であれば、注文を取ってくること(しかも、一回こっきりではなく、できればリピート客をたくさん)が主目的で、なおかつそれ以外の評価の対象はないはず。


ですが、手法をルールにすることで、その手法を守る、実行することが、従業員の目的になってしまいます。
「言われたとおりにやってますが、何か?」というセリフを言わせてはいけません。


それでは、いわば、練習のための練習になるような感じで、ひとつレベルが落ちてしまいますよね。



それに気づかずに、その手法の遵守の管理をしようとしてしまう経営者が少なくないですね。



たしかに、手法を管理するのは楽なんです。嫌なことも言わずにすみますし。



しかし、いくら手法を守っても、肝心の売上が上がらなければ同じこと。



手法を押しつけるのではなく、従業員各人に、それぞれ売上をあげるためには自分なりにどういう方法をとればいいのかを考えさせることがもっとも大事なのではないでしょうか。

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