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2006年11月30日

少年の可塑性

前回の話は、成人の刑事事件を想定したものですが、今回は少年事件について、知っておいて損はない話をします。

少年(未成年の男女をさします。女の子も少年と呼ばれます)事件の場合、刑事「訴訟」ではなく少年「審判」という手続きによって、少年の将来を考えて、処分が決まります。

少年の場合は、犯した犯罪について、刑罰を与えるという視点ではなく、少年の更生可能性を第一に考えて、どのような処分にするのかを決定します。そのため、犯罪事実そのものを特に重視するということではありません。
そのため、成人の場合、実刑相当の事件を起こしても、保護処分(保護司による監督を受けて、生活を改善する)ということも珍しくありません。
処分の内容としては、保護処分の他に、少年院送致という処分等があります。
また、最終的な処分を決めるまで、様子をみるという試験観察という仮の処分があったりします。

よく鑑別所と、少年院の区別がつかない人が多いですが、鑑別所は審判までに、その少年の性格や素養を確認するところです。成人でいうところの留置所、拘置所にあたります。

このように少年については、成人と異なり、刑罰という視点からではなく、少年の更生を第一にした手続きがとられています。
最近、少年による重大事件が多いので、少年にも成人と同様に刑罰を。という声も少なくありません。少年法の改正議論もなされています。

しかし、ほとんどの少年は、事件をきっかけに自分自身の本当の姿を知ることが多く、審判により更生が可能なことが多いというのが、私の実感です。
可塑性というのは、悪い状態からどの程度回復できるかという度合いを示す言葉ですが、少年はまさに可塑性に富んでいます。

その可塑性に賭けてみることは決して無駄な作業ではないはずです。
それを待てない社会というのは大人にとっても住みにくい社会ではないでしょうか。

今日も、審判を終えて、自分を律していく生活をしようと決心した少年に付添いました。
彼の可塑性を私は信じています。  

Posted by たばやん at 12:14Comments(0)法律

2006年11月29日

被疑者国選制度、はじまってます

多くの方は、関係がないかも知れませんが、知っておいて損はない制度のひとつに被疑者国選制度というものがあります。(前にもちょっと書いてます)

これは、逮捕された段階(被疑者となります)で、国選弁護人が付けられるというもので、重大犯罪の被疑者について限定して、この10月から始まりました。
今までは、起訴された段階(被告人となります。ちなみにTV・新聞で言っている「被告」という表現は間違いです。「被告」は民事訴訟での呼び方です。)にならないと弁護人が付かなかったのですが、刑事裁判で問題となる自白調書等の作成が、ほとんど捜査段階(被疑者)でなされていることから、問題があるとされてきました。

その点の問題点を解消しようとしたのが、被疑者国選制度です。
ちなみに従来(被疑者国選に該当しない被疑者は現在も)は、被疑者段階では、弁護士会が当番弁護士制度を設けて、問題点の解消に努力していました。
万が一、逮捕されるようなことがあれば、弁護士を呼んでくれと言えば、どちらかの制度で弁護士がやってきますので、必ず弁護士を呼んでくれと言って下さい。
ちなみに、費用は国選の場合、国の負担(最終的に本人が負担することがあります)で、当番弁護の場合、1回目の面会(接見といいます)は、無料です。

先日、私にも、被疑者国選事件が割り当てられまして、今、奔走しているところです。  

Posted by たばやん at 00:30Comments(2)法律

2006年11月28日

練習のための練習

昨夜、QBSの授業が終わって家に帰ると、受験勉強を再開した妻がパソコンを開いて、なにやら熱心に打ち込んでおりました。

画面を、見てみると私が作成を指示した、過去の試験問題の分析を熱心に打ち込んでいたようで、丁寧に問題文から打ち込み、構成等もきれいにされていたものでした。

私は見た瞬間に、これは、「全くなっていない」と思い、何て無駄なことをしているのかと注意してしまいました。いきなり怒られた妻は、ふてくされてしまいました・・・

しかし、妻の行動は全く私の指示を理解していないもので、受験勉強としては、無駄以外の何者でもないのです。
私が指示した理由は、過去の問題を分析しておけば、本試験で問題を見たときに、出題者の意図が分かるようになるからというものです。
国家試験に限らず、「試験」というものは、出題者の意図が分かっていないと合格点に到達することはできません。「問い」に「答えて」初めて点数をつけてくれるのです。特に論文式の試験はそれが顕著に表われます。
なかなか試験に受からないという人は、知識は十分ですが、このことを見落としていることが多いのです。

短期間で合格する秘訣は、一も二もなく、出題者の意図が分かるようになることです。

さらに肝心なのは、自分がその意図が分かるようになることが分析時の最大の目的であるということを理解していなければいけません。
誰かに見せるために分析をする訳ではないのです。
妻のしていた行動は、まさに人に見せる(私に、分析結果を説明するように頼んでいましたので)ためが第1番目の目的になっていました。これは受験勉強で陥りやすい罠です。他にもコピーを切り貼りして、まとめノートを作ったり、教科書にアンダーラインを引いたりすることがこれにあたります。
一見、これらの行動は、勉強している気にさせます。しかし、大抵の場合、頭には何も残っていません。試験中に、切り貼りしたことは思い出しても、そこに何が書いてあったのかは思い出せないのです。

これらは、まさに練習のための練習にすぎません。試合で使えるための練習になっていません。
妻も詳しく説明するとしぶしぶ納得していました(笑)が、試験に受かるためには、方法を間違えると努力しても報われないことがあるということを真剣に考えなければなりません。

何かを受験中の方は、これは何のためにしているのかというのをよく考えながら、勉強するという癖をつけると早く受かりますよ。

ところで、練習のための練習になっていないかという視点は経営のチェックにも応用できます。仕事のための仕事をしてはいませんか?
例えば、会議用の資料を作る時、いつのまにか、本当は会議でその問題を解決してもらうための資料作りであるはずが、資料を作ること自体が目的になって、見栄えや量ばかりを気にしてしまうことはよくあるはずです。
他にも、営業の本来の目的(受注)を忘れて、顧客の気を引くことばかりに注意が向いてしまう営業マンも多いですね。

仕事においても、何のために今、時間をかけているのかということを常に忘れないようにすると、効率と質の両方を高めることができるでしょう。
とはいっても、なかなか難しいのですが・・・ 
一見、無駄なようで、結果的に意味のあることもありますからね。

  

Posted by たばやん at 11:46Comments(2)経営

2006年11月27日

栄養ドリンクをグイッと

飲んでるサラリーマンを見ていて、そげん疲れることはなかろうもん。と思っていましたが、甘かったですね。

栄養ドリンクをコンビニ店先でグイッとやっちゃいました(笑)
疲れているというよりも、風邪気味でこれ以上悪くしたくないという理由ですが・・・

私が多く見かけていたサラリーマンの方々も、そういう理由の人が多かったのかも知れませんね。
今週も頑張りましょう~  

Posted by たばやん at 13:25Comments(1)一般

2006年11月25日

お笑い弁護士に転身?

会社員時代の友人から、昨日、漫才をしようと誘われました。

彼は、ボランティアでお笑い活動をしている、NPO法人博多笑い塾の活動に共感を覚えて、自分も活動がしたいというのです。彼は、かなり面白い人物なので、やりたいと言い出すのは、想定の範囲内でした。が、私を相方に誘うとは予想外でした(笑)

ボランティアでお笑い活動をするというのは、とてもよいことだと思いますが、こと、漫才となると大変です。
漫才をしたことがある人は分かると思いますが(というか、ほとんどいないと思いますが)、漫才は大変な「芸」なのです。ネタをつくって、合わせて、場を踏んで初めて、笑えるものになります。人前に出せるまで、相当な練習時間が必要なのです。

漫才で頭角を現した芸人が、次第に漫才をしなくなるのは、時間的に新ネタが作れないからなのです。そして、今TVですぐに飽きられるようなネタしかない芸人ばかりが多いのは、彼らにネタを繰る時間が与えられていないからでもあります。

ここまで、読んだ方は、私がかなりのお笑い好きではないか?と推測されたと思いますが、その通りかなりのお笑い好きなのです。
人を笑わす(笑われるのとは全く異なります)という行為は、かなりの知的作業です。特に、言葉を操って、「笑い」を引き出すのは高度な知能・技術が必要です。したがって、私は学問的にも成立するのではないかという勢いで、「お笑い」に関心を持ち続けています。
だから、彼も私を誘ってくれたのでしょう(笑)

しかし、ボランティアとはいえ、人前にでるからには、中途半端なことはやりたくありません。
彼も私も、笑いとなると相当の凝り性なので、やっつけ仕事にはならないことは目に見えています。

したがって、少なくとも、QBSを卒業するまではできません(そうでなくとも、ドロップアウト寸前な状態ですから・・)が、もしかしたら数年後にはお笑い弁護士になって、病院等を訪問しているかも知れません??  

Posted by たばやん at 17:26Comments(0)一般

2006年11月25日

アイデンティティの確認

先日の勤労感謝の日に、長崎に日帰り旅行をしてきました。

あいにく、どしゃぶりの雨模様で、ほとんど観光にはなりませんでしたが、本来の目的は達成できたようです。
今回の旅の目的は、妻のアイデンティティの確認にありました。

どういうことかというと、つい先日某国家試験の合格発表があり、妻は残念ながら不合格通知をもらいました。科目合格制度をとっているので、2つくらいは自信があったようですが、結果はそれもダメでした。
で、小学生の時にいた長崎にいきたいと言いだしたのです。

これは、経験のない人だと、何で???という話になるのですが、私も同じような思いに駆られた経験があり、すぐに理解できました。

私も、会社を辞めようか考えていた時、司法試験に2回目も落ちた時に、京都に行きたくなりました。
行きたくなるというか、呼ばれている感じがすごくしたのです。
私の場合、京都にある坂本龍馬の墓参りにいきたくなって、お墓の前から京都の街並みを見ていると、いつも悩んでいた問題の結論がでてきました。
すごい不思議なことなのですが、妻も自分の今後の方向性を見失った時、長崎から呼ばれているような感覚になったのだと思います。

心理学的にこのような行動が定義されているのかも知れませんが、私は心理学をきちんと学んでいる訳ではないので、よく分かりません。
しかし、私なりに考えるに、それはアイデンティティの確認行動なんだろうと思います。
人それぞれで、大事な場所があって、そこに戻れば、自分が何であるかの確認が知らず知らずのうちにできる。それを頭で理解していなくても、感覚的には理解しているので、無性にその場所に行きたくなるのではないかと思います。

そして、そこに立ち戻れば、本来の自分を改めて確認できる。そのため、結論がでたり、なんだかよく分からないけども、すっきりした気持ちになれたりするのではないでしょうか?

よく旅番組や、情熱大陸系の番組で、出演タレントの思い出の地を訪ねたりしますが、TV画面からその人の「素」が伝わるから、視聴者にも人気があるのかも知れませんね。
  

Posted by たばやん at 14:16Comments(2)一般

2006年11月22日

経営者の最後の意地とは

経営者にとって、自分のビジネスの終わりを告げるのは大変なことで、まさしく断腸の思いということだと思います。

しかし、ビジネスを終わらせるのは、経営者にしかできません。最後にどういう決断を下すのか、そこにその人の人生観やビジネス観が反映されます。

何の話かというと、いつ破産をすべきかという話です。あまりいい話ではありませんが、経営者は常に考えておくべきことだろうと思います。

多くの経営者は、キャッシュフローが滞り、収入のあてがなくなると、会社資産を売却したり、目先の収入にとらわれて、通常ではしない取引をしたりしてしまいます。そんなことにならないための、経理事務や会計作業なんですが、小規模なところはどうしても経営者は売上重視、営業に走り回り、経理、キャッシュフロー管理は人まかせとなりやすいようです。
そして、気が付けば、来月の支払いの目処が立たないという事態になっており、破産という二文字が頭にちらつきます。
この辺で、民事再生を検討する場合が多いのですが、基本的に民事再生は、売上自体が安定している業態か、運転資金を注入してくれるスポンサーが見つからないと難しいのです。
多くの企業は、収入の目処が立たないため、キャッシュフローが悪化するのですから、民事再生で助かることはあまりありません。

そこで、破産やむなしということになり、自分が育てたビジネスを終わらすことになります。
しかし、多くの経営者は、債権者や取引先に迷惑を掛けたくない、自分のビジネスを終わらせたくないという思い入れが深い分、その決断がなかなかできなくなります。どうしても踏ん切りがつかず、ボロボロになるまで、しがみつく人もいます。
その心情は、とてもよく分かります。

しかし、経営者として、最善の方法は、もはや改善の可能性が低いといえる状態、手元資金が少しでも余裕がある状態で、潔く決断することです。破産する多くのケースを見てきて、ほぼ間違いない結論だと思います。
それは、個人で破産する場合も同じです。どうしようもなくなる前に、このままでは無理だと分かる時期があるはずです。その時期をきちんと認識できなければ、せっかくの復活のチャンスをみすみす失うことになります。
私は、破産手続きは、誰にでも与えられている経済的復活の唯一のチャンスだと思っています。
ただ、その手続きにどういう状況(心境)で望むかによって、本当にチャンスになる人と、より悪く転落するきっかけになる人に分かれてしまうのだろうと思います。

返済をしなければならないという気持ちが強すぎて、全てを返済にあて、手元に資金が何もなくなってから、破産手続きをしようと思っても、遅すぎます。現実に、少なくとも裁判所への申立て費用がなければ、破産はできません。

破産できなければ、結局債権者に多大な迷惑をかけてしまうことになります。法的な手続きをとれば、債権を税務上、貸し倒れ処理等にできますが、法的手続きがなされないと、各債権者は個別に訴訟を提起し、無駄な強制執行までしなければ、税務署が償却を認めてくれない場合がほとんどです。

つまり、返せないのであれば、その処理を少しでも簡便にして、債権者の負担を少なくすることが、迷惑を掛けたくないという思いを果たすための最善の策となるのです。
切羽詰まって、夜逃げするというのが債権者にとっては、一番困惑してしまいます。

さらに、早めに決断することで、債権者や従業員に時間を与えることができます。
この会社を、いつまで持たせるかの選択権を自分だけで握ってはいけません。
迷惑を掛けたくないのなら、その選択権は相手に与えるべきです。時間があれば、それぞれの立場でそれぞれの対処が可能になります。悩んで、悩んで、経営者が時間を消費してしまえば、彼らの時間を奪うことに等しい行為といえるのです。

また、手元資金に猶予がある状態で、腹を決めてしまえば、経営者自身に若干の余裕ができます。そうすると、より冷静な対処ができ、破産後の展望も考えることができます。
煮詰まって、自分では何も考えられなくなってから、弁護士に相談をしても、アドバイスのしようがないということはままあります。

破産をしても、全てを失う訳ではありません。破産後、自分の人生をよりよく充実したものにしている方はいくらでもいます。
重要なのは、その手続きを理解し、その結果を把握し、その後の想定を立てて、行動すること、それができるかどうかです。

最後に決断をしなければならない状態になったとき、冷静な判断をできる人は、今回は失敗したけれど、立派な経営者だと私は思っています。
日本は、失敗を許さない社会だと言われます。その通りな面も現実には多いです。
しかし、経営者として最後に正しい決断できたということは、自分にその気(復活する気、リベンジする気ですね)があれば、何よりも得難い経験になると思います。

そういう方が、再び会社を興すことが普通になるように、私も何かできればと思っています。

資金繰りをもう一度、冷静に見直して、早め早めの対応をとる。
それが必要であることは言うまでもないですが、その過程で、状況を冷静に受け止めて、最善の方法を実行することはとても難しいことです。

がんばれ!社長!!
  

Posted by たばやん at 18:10Comments(0)経営

2006年11月21日

今日は、九州地区大学知的財産戦略研修会

に出席してきました。
九州地区の大学における産学連携の実状を報告するというものです。

各大学における産学連携の状況や企業の考え等が学べる有意義なものでしたが、その中でも、
東北大学教授堀切川一男(ほっきりがわかずお)教授の講演がよかったです。

産学連携をまとめる立場になる人は、やっぱりマーケティング感覚というか、「商品」としての技術をどう作り上げるかという意識を強く持っておかないといけないということが実感できました。
九州にも、そのような教授がたくさん活動されるようになるといいと思います。

あとは、「ラブマップ理論」ですね!!
詳しく聞きたい人は、次回堀切川先生の来福の機会を待つか、個人的にメールを下さい(笑)  

Posted by たばやん at 20:45Comments(3)一般

2006年11月20日

交渉術を学ぶ

土曜日の夕方から、とある勉強会に出席しました。
ある外資系企業の営業部長から、交渉術のエッセンスを学ぶという自主的な勉強会です。

主催されている教授いわく、「QBSは学校、ここは塾」だそうで、極めて実践的な内容になってます。
私も今回初めて参加させてもらったのですが、現役のトップビジネスマンから直接話を聞けるという、とても刺激的な機会となりました。

話の本筋以外のひょっとした一言が、とても大事だったりして、「直接話をする」ことの重要性は、ネットやメールが発達してきた今だからこそ、なおさら高くなってきていると思います。

次回以降も積極的に、参加したいと思っています。  

Posted by たばやん at 17:30Comments(0)一般

2006年11月18日

土曜日の過ごし方

 今日は、QBSの授業が休講ですが、いつもは午前中、箱崎で勉強です。今の講義は、英語で行われているので、ほとんど意味が分かりませんが・・・(笑)

 そして午後は、仕事をすることが多いです。QBSの講義が平日の夜にありますので、どうしても仕事が溜まってしまいます。(後期は、授業の数を減らし、なんとかやっていますが、前期は毎日授業を取ってしまい、恐ろしいことになってました。)
 依頼者にご迷惑をかけないように、できる限り(笑)頑張っているところです。

 QBSに通い出して、特に感じることは時間を上手く作れないとだめだなあということです。
 QBSの同期生の方々には、私より格段に忙しいはずなのに、課題をしっかりこなしつつ、授業にも遅れずに参加されている方が多くいます。(私は、遅刻しないことの方が珍しい状態です・・・)
 時間の上手な使い方ができるということも、経営者として必要な資質なんでしょうね。

 先日、QBS5期生の合格発表があったそうで、今回も色々な経歴の方が入学されるそうです。
 授業だけでなく、色々なバックボーンを持った方々と意見を交換できることのメリットは計り知れません。
 皆さんも来年、QBS6期生になってみませんか?

   

Posted by たばやん at 13:20Comments(0)一般

2006年11月17日

ベンチャーの乗り物2

前回の続きです。

ということで、起業するときは、どの乗り物(法的人格)にするかが重要なのですが、どれがいいかという基準については、大きく考えると3つに分けられると思います。

1 意思決定の方法
2 利益還元の方法
3 社会的信用を得る必要の度合い(責任の限度)

これらは、1つを優先すると1つを失うという関係になっており、全てを完全に満たす機関の設計は難しかったのですが、最近の会社法関連の法律制定・改正で知恵を絞れば、ベストな乗り物を設計することがかなり可能になりました。

1 意思決定の方法について

 株式会社等別法人格を創設したとしても、それが現実に存在する訳ではなく、結局誰かが意思決定せざるを得ません。その意思決定者と出資者を同じにする、あるいはその比率を同じにする必要があるかというのが、一つの基準になります。
 株式会社にすると、基本的に出資額の割合により、意思決定の割合も決まります。お金を多く出した人の意見が通りやすいという極めて明快な理屈です。
 もっとも、株式会社でも議決権のない種類株式を設計することで、出資と意思決定の比例関係を変更することができます。
 一方、民法上の組合、そして新設された有限責任事業組合(LLP)では、出資の割合と関係なく、意思決定を原則として全員で行います。多くお金を出した人が、大きい声になる訳ではありません。

2 利益還元の方法

 事業を行うのが前提ですから、利益をどのように還元するかは重要な問題です。その辺をあまり考えずに安易に始めてしまい、そちらの原因で会社が空中分解してしまうことはよくあります。
 取らぬ狸の皮算用といわず、しっかり考えてから事業を始めて下さい。特に仲間と行うときは、必ずしっかりとした共通認識を持っていないといけません。
 株式会社の場合、原則として出資割合に応じた、利益配当ということになります。大きなリスクを負った人が多く果実を得るというこれまた明確な理屈です。もっとも、法改正により、特定の株式だけ配当を多くするということも可能になり、原則はくずれています。
 また、民法上の組合やLLPは、利益分配の方法はみんなで決めれば自由です。

 大事な点は、税金です。株式会社の場合、会社自身にまず法人税等の税金がかかる上、株主にも利益配当の時点で税金がかかります。つまり、事業からの利益に対し、二重に課税されることになります。
 一方、民法上の組合やLLPは、構成員課税といい、組合構成員の得た利益にのみ課税されます。したがって、LLPでの事業は儲けても、他の自分の事業が赤字だった場合、構成員の収支として赤字であれば、課税はゼロということになります。これは、大きな利点です。

3 責任の限度

 株式会社の場合、ご存じのとおり、出資者は、出資額の範囲までしか責任を負わない有限責任です。会社の負債総額が何十億であろうとも、出資した株主は、出資金額が帰ってこないというリスクだけですみます。
 一方、民法上の組合は、無限責任です。組合として負った負債は、組合財産で返し切れない場合、構成員個人の財産も差し出す必要があります。
 LLPの場合、民法上の組合と異なり、有限責任です。出資した金額までしか責任を負いません。
 したがって、自分が創業する立場から考えると有限責任で決まり!と思いますが、貸し手からすると無限責任の方が安心です。ですから、起業にあたり、お金を借りる必要が高ければ、無限責任の乗り物がよいこともあります。(ただ、現実は株式会社でも、代表者が連帯保証人にさせられることが多いのであまり変りません)

 その他、乗り物としていつまで使うのかという点もよく考えないといけません。継続的に同じ事業を続けるのであれば、LLPや組合は避けた方が無難です。(構成員が替わる可能性がありますので)

 で、結局どれがいいの?ということですが、それは会社設立の目的、事業内容によります。LLPは便利ですが、長期的な視点で事業を行うには向いていません。
 一方、株式会社でも法改正により、かなり柔軟な機構を採用することが可能になりました。
 そうすると、どうしても税金を多く払うのが嫌だとか、個人と法人で一緒にやりたいが、法人の方で会社に出資するとまずい(親子会社になる可能性がある等)という理由がない限り、株式会社にし、その機構をよくよく考えるということになるのではないかと思われます。

 いずれにしても、スタートが肝心であることは間違いありません。
 よ~く考えて、しかし早く踏み出して、経営者としてスタートする人が1人でも増えてほしいと思っています。


  

Posted by たばやん at 17:46Comments(0)法律

2006年11月17日

似顔絵を

プロフィールの欄に追加してみました。

  

Posted by たばやん at 09:52Comments(1)一般

2006年11月16日

大相撲九州場所4日目

に昨日、行ってきました。
生まれて初めて相撲を生で見ましたが、感想はう~ん・・・・

日本相撲協会は財団法人で、そもそも顧客志向じゃないと言われればそれまでですが、あまりにも「お客さん」無視じゃないですかね?

一観客として思ったのは、
① 席のサイズ小さくない?
 最近の日本人は大型化しています。枡席のあのサイズに大人4人では、一時間以上見てられません。また靴を脱がないといけないのも面倒です。
② 正面固定っておかしくない?
 向正面といわれる場所に座ったのですが、取り組み中、行司の背中しかみえないことがしばしば。
行司の立ち位置、たまには変ってほしかったです。
③ 取組表、大型ビジョンを複数設置してもよいのでは?
 自分が見た席は結構前だったので、肉眼でもよく見えましたが、それでも大型ビジョンがあった方が分かりやすいですよね。取組表も後ろを振り返って見上げるというとてもきつい体勢をとらざるを得なかったです。

とまあ、挙げればキリがないし、色々な興行の中で大相撲だけができていないことではないのですが、改善の余地ありですね。4日目とはいえ、年に一度の催しで、あんなにガラガラなのはさみしい限りです。

おそらく、協会内部でも改善の声はでているはずですが、それを妨げるのが、「伝統」という声でしょう。
大相撲に限らず、企業あるいは組織というものは、継続することが大事です。継続の中から伝統や由緒が生まれる。したがって、伝統を守ることは悪いことではありません。
しかし、一方で組織は常に変化しなければなりません。状況に応じて、構成員に応じて変化できなければ継続することはできないのです。
私は、経営とは、「継続と変化の矛盾をいかに調整して、組織を前進しつづけられるか」に尽きると思っています。(ドラッカーの受け売りですが・・・)
どの企業も、組織もそれを求めて試行錯誤しているはずです。
換言すれば、伝統と革新を両立できなければ、いずれその組織体は消滅せざるを得なくなります。
そんなこんなで、大相撲も、伝統を守りつつ、変革する勇気を持ってほしいと思った大相撲観戦記でした。  

Posted by たばやん at 17:50Comments(2)一般

2006年11月15日

ベンチャーの乗り物

といっても、ベンチャーの社長はすぐにベンツやフェラーリに乗りたがるというような話ではありません。(笑)
会社を始めるにあたって、どのような法律上の乗り物にのっていくのがよいかという話です。
商売をする場合、特に法人化しなければいけないという決まりはありません。
商店街の小売店や、個人商店は個人経営、すなわち「山田商店」こと山田太郎という立場で、仕入れや買掛をしています。
それはそれで何ら営業に支障はありません。
しかし個人で商売をしていると、個人的に買ったものか、商売として買ったものか区別がつきません。したがって、山田さん名義のものは全て山田商店の財産だと認められる可能性があります。つまり、仮に山田さんが商売で儲けたお金で家を建てていたとして、商売が傾いてきて破産ということになれば、家が競売によって売却されてしまうのを指をくわえてみていないといけません。
ここで、「山田商店」を法律上別人格として、山田さん個人と切り離していれば、山田商店が破産しても、山田さん個人の財産を提供する必要はありません。
 (というのが、法の建前ですが、現実には、借入の際、会社代表者の個人保証を求められます。
  なので、結果的に家は手放さないといけなくなることがほとんどです。それにより、結局個人の営業を、法人にするメリットは節税くらいしかありません。これでは、起業する人が増えないのは当然です。
  銀行等貸し手は、自分の目利きができないのを、借り手に押し付けることで今までやってきています。これからは、リスク管理能力をしっかりと身につけて、個人保証なしでビジネスモデル自体に貸せるようになってほしいと思っています。)

 そのため、法人格のある株式会社、合同会社、組合等のうち、どれを使って、事業をはじめるかを最初に考えなければならないのです。

 先日のQBSの産学連携マネジメントの講義で、この話がありましたので、少し詳しく書いてみようと思ったのですが、結構な文量になりますね。
 続きは、LLPの話として、また後日・・・
(続きはまた今度としているのが、多い気がしますが・・・)
  

Posted by たばやん at 17:30Comments(4)法律

2006年11月14日

トラックバックでデジタルデバイド!?

坂本さんブログに、これが上手くトラックバックできていたとして、トライすること数回、時間にして約30分もかかっております。その間、ヘルプを読んでは試行錯誤を繰り返すばかりでした。

そこで、ハッと気付いたのが、デジタルデバイド。電子化、情報化の波に乗れるか乗れないかが社会的に大きな問題になるだろうというやつです。

「これがデジタルデバイドってやつか~」と1人で感心してしまいました。
今まで、電化製品を買っても説明書も読まないで使えたり、デジタル用語もなんとなく分かってきていたので、関係ないと思っていましたが、ついに「意味不明」という意味が分かりましたね(笑)

自分では、職業柄、相手の立場になって物事を考える習性を身につけていると思っていましたが、とんでもないですね。

どうしたらいいか分からないって、ツライ・・・

明日から本当に気をつけます。そんなことも知らないの?っていう顔をしていたら注意して下さいね。  

Posted by たばやん at 19:26Comments(0)

2006年11月13日

吉野家の教え

QBSの講義がある時は、時間があれば、晩ご飯を食べてからいくようにしています。
でないと授業中、おなかがぐぅ~と鳴ってしまい、授業どころでなくなってしまいますから(笑)

で、箱崎の時は、吉野家で豚丼つゆだくを頼むことが多く、先日も吉野屋に寄った時のことです。
新人さんが先輩から、フロアの仕事を教えてもらっていました。

先輩「忙しくなってきた時に、注文と会計が重なった時にどっちを先にすればいい?」
新人「え? え~と、注文ですかね・・・」
先輩「なんで?」
新人「いや、なんとなく・・・」
先輩「会計を先にしないと食い逃げされるでしょ?会計を先にしてください」

そんなに食い逃げされてるのか~と思ったのですが、この先輩バイトの話は経営の示唆に富んでいると思います。
受注と回収のどちらに力点を置いて経営するのか?

仕事がこないと会社が潰れます。したがって、経営サイクルのスタートである受注は重要です。
しかし、売り上げが立っても、回収できなければ会社が潰れます。いわゆる黒字倒産とは違いますが、キャッシュが入らないと経営が立ちゆきません。経営サイクルのラストである回収も極めて重要です。
会社に人間がいれば、それぞれ専門に貼り付けて当たらせることができます。
問題は、このバイトさんたちのように現場で自分しかいない時、企業でいえば立ち上げたばかりで、従業員がほとんどいないような時です。
両方を自分でしなければならないとして、どちらに時間を割けばよいのか、立ち位置をどう設定しておくのかは大変難しい問題です。

私は、回収に力点を置いておくべきだと思います。売り上げが逃げても、それは利益分の損しかありませんが、回収をし損じれば、原価も利益もなくなります。機会損失という点では、一旦立った売り上げは比較対象にならないかもしれませんが、現実的に考えると比べようもありません。
逃げた売り上げは、会社が生きている限り、また捕まえることができます。
回収できてこその売り上げだと認識しておくべきです。
ちなみに、回収の管理はそんなに難しくありません。
肝心なのは、最初の契約をしっかりと考えて、結んでおくことです。
一度決まった取引条件を変更するのは大変ですから。

  

Posted by たばやん at 23:06Comments(4)経営

2006年11月11日

合格発表

今年の(旧)司法試験の合格発表が、9日ありました。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061110AT1G0902Z09112006.html

現在、司法試験制度は従来型のロースクール卒業を前提としない試験(旧司法試験と言われています)と、ロースクール卒業が条件の試験(新司法試験と言われています)に分かれて実施されています。
今回は、従来型の試験の最終合格発表でした。

旧司法試験は、ロースクールに入らずに法曹資格を得ることができる制度ですが、政策的にロースクール卒業を前提にした制度に変更されますので、2011年度で終了します。しかも合格者数は段階的に減らされることも決まっています。
つまり、今まで司法試験を目指していた人で、今更ロースクールという選択が難しい方々にとっては、毎年がラストチャンスという雰囲気の大変厳しい試験になっています。
今年の合格率は、なんと1.81%です。(私の時は、3%くらいだったと思います)

そんな厳しい戦いを勝ち抜いた皆さん、おめでとうございました!
私の知り合いにも何人か、合格された方がいますので、今度お祝いしたいと思います。

司法試験は難しいと言われていますが、知識そのものの難しさよりも、継続して勉強し続けることが難しくて大変なんですよね。
しかも、合格へ向けて努力しないと、本当にあさっての方向に進む勉強を続けることになるので、受からない人は何年やっても受からないということになってしまいます。

試験勉強と経営は、目標設定の仕方と、その到達方法を誤ってはならないという点でとてもよく似ていると思います。  

Posted by たばやん at 20:48Comments(0)

2006年11月10日

メール第1号!!

このブログをみて、メールをくれた方が初めて登場しました~!
これは相当うれしいものですね。
QBSのクラスメイト(こういう言い方、久しぶり・・)の方で、仕事関連で分析テストをしていたら、偶然見つかったそうです!

実は、更新の自信が全くないので、誰1人に自分から「ブログ始めました」連絡をしていません。
こそっ~と始めていますが、気付いた方メールください(笑)。

それから、「弁護士マッチングツール」としてのブログの可能性というのも、試験的に探っています。
弁護士を探していて、ここに来た方、メールでの相談受け付けております。
お気軽にどうぞ!  

Posted by たばやん at 19:17Comments(2)一般

2006年11月09日

伝説の店へ

先日のブログに書いていました、常連客以外お断りの店に行ってきました。
詳細は写真付でこちらにアップされるはずです(笑) 
坂本さんのブログ http://akarisaka.yoka-yoka.jp/

デジカメを持ち歩かないと、ブロガーとしては失格ですね。

さて、店の外観からして、一見客お断りオーラがでており(というか、店の入り口にその旨書いてます。すごい!)、こんなに緊張感を持って、飲食店に入ったのは、「回らないメニューのない寿司屋」に初めて入った時以来です(笑)。
メニューは、トリ料理オンリー(しかも、オイル焼き、唐揚げ、鶏鍋の3点だけらしい)。
びっくりすることは数え切れませんが、

飲み物はビールのみ。後は持ち込み!(通常、飲み物で粗利を稼ぐのに!)
コップの用意から始まって、テーブルに料理を運ぶ、鳥の骨等片づけまで全てセルフ!(サービス料は頂きません)
2階を、監視(!?)カメラで動向を把握!
超激安!!

など、既成概念をことごとく打ち破るお店です。

肝心のキラーコンテンツは、オイル焼きにつけるソースでした。
私は辛いのは苦手ですが、それは、激辛の中にうまみがあり、とてもおいしかったです。
いわゆるヤミツキになる味ですね。常連だけで店が成り立つ秘密が少し分かりました。

ただし、このソース少しでも残すと、出入り禁止もあるそうで(店内で一番高価だそうです)、十分気をつけないといけません。
私は、うっかりして危うく二度と行けなくなるところでした。(常連さんが、チェックを入れてくれて助かりました。さすがですね!)

そんなこんなで、通常とは異なる高揚感の中で過ごした数時間でした。
また行きたいです。
  

Posted by たばやん at 17:53Comments(3)一般

2006年11月07日

オレオレ詐欺!

ブログが4日振りになってしまいました。

香川にある実家(うどん屋やってます!)に「オレオレ詐欺」が電話してきたようです。

もう誰もやってないかと思っていましたが、まだやっている輩がいるんですね~。香川の田舎ならまだ通じると思ったのでしょうか?

幸い、途中で気付いたようで被害はありませんでしたが、声は私にすごく似ていたので、最初に電話にでた父は、完全に私だと思っていたようです。
聞けば、前にもオレオレ詐欺電話があり、どうやら同じ人物がまた掛けてきたようだと言っていました。
懲りないようです・・・

それにしても、個人情報の流失はもう、どうしようもないのでしょうね。あきらめるしかないようです。

ちなみに、これから私が、実家に電話をかける時は「山」「川」と合言葉を言うことになりました。
オレオレ詐欺さんがこのブログを見ていないことを祈ります(笑)。  

Posted by たばやん at 12:40Comments(0)一般